3分で効果を実感!骨盤底筋トレーニングの正しい知識とやり方。続けるコツを伝授

[ 2025年5月12日 09:00 ]

加齢や運動不足、出産などで弱まる「骨盤底筋」。骨盤底筋が弱くなると、尿漏れ、子宮脱、排便や性生活にまで影響が出る可能性が……。

健康や美容にも大きな影響を与える重要な筋肉「骨盤底筋」について、基礎知識から締め方のコツ、正しい骨盤底筋トレーニング方法まで、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー佐藤舞さん監修のもと解説します。

継続するのが難しい骨盤底筋トレーニングを「継続するコツ」も伝授。「3分の効果的な骨盤底筋トレーニング」を身につけて、体の内側から健康になり、日常生活の質を向上させましょう!

【初心者でも安心】骨盤底筋の基礎知識

骨盤底筋トレーニングは、特に女性の関心が高いエクササイズですが、初めての方は何から始めればいいのか、どのように続ければいいのか不安に感じることもあるでしょう。

初心者でも安心して取り組むことができるように、まずは骨盤底筋という筋肉についての基本的な知識を解説します。骨盤底筋について正しく理解することで、より効果的なトレーニングを行うことができます。

骨盤底筋とはどんな筋肉?場所は?

骨盤底筋群

骨盤底筋は、骨盤の底に位置する筋肉群のことで、内臓を支える役割を果たします。特に排尿や排便のコントロールや生殖機能の維持に関与していて、日常生活において非常に重要だと言われています。

骨盤底筋が弱くなるとどうなる?

骨盤底筋群の筋肉は、年齢や妊娠・出産、運動不足などで弱くなることがあります。骨盤底筋が弱くなると、次のような問題が起こります。

尿漏れ : 咳やくしゃみ、笑ったときに、尿が漏れる
頻尿 : 下がってきた臓器に尿道が圧迫され、頻尿になる
便秘 : 便を出す力が弱まり、便秘になる
骨盤臓器脱 : 子宮や膀胱などが、膣から出てしまう
性生活の問題 : 膣の奥が緩むことで、性行為の際に痛みや不快感を感じる
体型の変化 : 骨盤を安定させる筋力が衰えることで、姿勢が悪くなり、脂肪がつきやすくなる

このように骨盤底筋が衰えることで、健康から美容まで幅広く影響が出ます。骨盤底筋を鍛えることで、体全体のバランスが改善され、より快適な生活を送ることができるといえるでしょう。

骨盤底筋トレーニングで得られる効果とメリット

骨盤底筋トレーニングを続けることで、様々な健康効果を期待できます

尿漏れの予防や改善

特に中高年の女性に多い「尿漏れ」の予防・改善を期待できます。尿漏れを軽減するには、骨盤底筋を鍛えることが非常に効果的です。

出産後の回復を早める

次に、出産経験のある方は、骨盤底筋を鍛えることで出産後の回復を早めて、骨盤の安定を助ける役割もあります。

姿勢の改善や腰痛の軽減

さらに、骨盤底筋を鍛えることで、姿勢の改善や腰痛の軽減も期待できます。骨盤底筋が鍛えられると、日常生活での動作が楽になり、全体的な生活の質が向上します。予防的な観点からも、日々のトレーニングを継続することが重要になります。

トレーニングを始める前に知っておきたい注意点とポイント

骨盤底筋トレーニングを始める際は、いくつかの注意点を把握しておくことが大切です。

無理をせず、自分のペースで進める

過度な負荷をかけると、筋肉を痛める原因になります。ゆっくりと優しい負荷をかける程度に動くようにしましょう。

お腹に力を入れすぎない

膣・肛門周辺に力を入れようとすると、どうしてもお腹に力が入りやすくなります。お腹に力が入りすぎないように意識しましょう。イメージとしておすすめな方法をお伝えします。

次:難しい!骨盤底筋に力を入れるコツを伝授

1.骨盤底筋部分にエレベーターの箱をおくイメージをする
2.そのエレベーターの箱を頭のほうに持ち上げていくようなイメージで行う

呼吸を止めずに行う

呼吸を意識することで、筋肉に十分な酸素を供給し、効果を高めることができます。力を入れることに集中してしまい、呼吸が止まるようなことがないようにしましょう。

正しいフォームで行う

フォームが崩れると、効果が半減するだけでなく、他の部位に負担がかかる可能性があります。トレーニングを行う際は、正しい姿勢で行えているかを意識しましょう。可能であれば鏡を使って、自分の姿勢を確認しながら行うと良いです。

3分骨盤トレーニングで大切なのは「姿勢」と「呼吸」

「骨盤底筋トレーニング」を短い時間で効果的に行うには、正しい姿勢と呼吸法が大切です。意識して続けていくことで、体の変化を感じられるでしょう。

骨盤底筋トレーニングの正しい姿勢

骨盤底筋トレーニングを効果的に行うためには、正しい姿勢を理解しましょう。姿勢が整っていないと、筋肉に正しく負荷がかからず、効果が半減してしまいます。

正しい姿勢

<立った時の正しい姿勢>
脚を肩幅に開き、天井からつられているような意識で、まっすぐ立ちましょう。
確認ポイント:お腹や腰が前に出ていませんか?首が前に出ていませんか?猫背になっていませんか?

<座った時に正しい姿勢>
椅子に深く腰掛け、肩幅に足を開き、天井からつられているような姿勢で座ります。
確認ポイント:反り腰になっていませんか?首が前に出ていませんか?猫背になっていませんか?

トレーニングの効果を高める呼吸法

骨盤底筋トレーニングは、呼吸法がとても重要です。正しい呼吸を行うことで、筋肉に適切な刺激を与えて、トレーニングの効果を高めることができます。

効果的な呼吸法

1.鼻からゆっくりと深く息を吸い込み、お腹を膨らませます。

2.次に、口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませるように意識します。

この呼吸法を意識しながらトレーニングを行うことで、より効率的に筋肉を鍛えることができます。呼吸を整えることで、全身のリラックス効果も得られるため、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。

【3分】椅子に座った骨盤底筋トレーニングのやり方

椅子に座った骨盤底筋トレーニングのやり方

1.椅子に座ったら、背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスしましょう。足を床にしっかりとつけて、腰をまっすぐに保った姿勢にすることが大切です。

2.大きく息を鼻から吸ってお腹を膨らせます(5秒)。

3.口から息を吐き出すと同時に、膣と肛門に力を入れて頭の方に引き上げるように意識して力を入れます(5秒)。

4.2~3を15~20回繰り返して、計3分程度のトレーニングを行いましょう。

【3分】立った状態の骨盤底筋トレーニングのやり方

立った状態で骨盤底筋トレーニングのやり方

1.足を肩幅に開き、背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスしましょう。体重を均等に分散させて立つように心がけます。

2.大きく息を鼻から吸ってお腹を膨らせます(5秒)。

3.口から息を吐き出すと同時に、膣と肛門に力を入れて頭の方に引き上げるように意識して力を入れます(5秒)。

4.2~3を15~20回繰り返して、計3分程度のトレーニングを行いましょう。

骨盤底筋の締め方がわからない!コツを伝授

初心者は特に、骨盤底筋の場所がわかっても力をどう入れたらいいかわからないかと思います。そんな時におすすめの締め方のイメージをお伝えします。

骨盤底筋の締め方イメージ

1.膣と肛門を締める、力を入れる

2.膣と肛門に力が入ったら、そこにエレベーターの箱があるイメージをして、そのエレベーターを頭の方まで引っ張る

注意点は、お腹に力が入りすぎないようにすること。

骨盤底筋トレーニングの効果はいつ出る?最適な頻度と期間

骨盤底筋トレーニングを効果的に行うためには、適切な頻度と期間の設定が重要です。どれくらいの頻度で行うべきか、またどのくらいの期間で効果が現れるのかを知ることで、効率的に目標を達成できます。

トレーニングの最適な頻度と、効果が出始めるまでの期間について詳しく解説します。

骨盤トレーニングは週に3~5回が目安

骨盤底筋トレーニングの効果を最大化するためには、週に3回~5回の頻度がおすすめです。毎日行うことも可能ですが、筋肉を休ませる時間も必要。筋肉が回復することで、より強くなり、効果が持続します。初心者はまず週に3回のペースから始めて、徐々に頻度を増やしていきましょう。

また、トレーニングの頻度は個人の体力や生活スタイルにも合わせることが大切です無理をせず、自分に合ったペースで続けることで、長期的な効果が期待できます

効果が出るのは早くて4週間。継続が大切な理由とは

骨盤底筋トレーニングの効果を実感するまでの期間は、個人差がありますが、一般的に4週間~8週間程度とされています。この期間中に筋力が向上して、体の変化を感じ始めることが多いです。しかし、短期間で結果を求めず、長期的な視点で取り組むことが重要です。

継続が大切な理由は、筋肉は使わなければ衰えてしまうからです定期的にトレーニングを続けることで、筋力を維持して、さらに強化することができます。また、継続することでトレーニングが習慣化して、日常生活の一部として無理なく続けることが可能になります。継続的な努力が、骨盤底筋の健康を保つ鍵となります。

挫折しない!骨盤底筋トレーニングを継続するコツ

骨盤底筋トレーニングを始めたものの、続かない……。挫折せずにトレーニングを続けるための具体的なコツを紹介します。モチベーションを維持することで、日々の習慣として定着させていきましょう。

やる時間やタイミングを決めて、ルーティン化する

骨盤底筋トレーニングを毎日の習慣にするためには、日常生活の一部として取り入れることが重要です。朝の目覚めや夜のリラックスタイムに組み込むと、自然と習慣化しやすくなります。ルーティン化することで、忘れることなく続けられます。

また、トレーニングを行う時間を決めておくと、意識的に取り組むことができます。例えば、毎日朝7時に行うことで、体がその時間にトレーニングを求めるようになります。仕事中のリフレッシュ時間に行うなど、やる時間やタイミングを決めておくのもいいでしょう。

「骨盤底筋トレーニング」でよくある疑問を解決

「トレーニング中に痛みを感じたときの対処法は?」「妊娠・出産後に安全に行える?」「男性がやるメリットある?」など、骨盤底筋トレーニングに関する疑問について、トレーナーが回答します。

トレーニング中に痛みや違和感があったら?

骨盤底筋トレーニング中に痛みや違和感を感じることがあるかもしれません。このような場合はまずトレーニングを中止して、体を休めましょう。それでも痛みが続く場合は、専門家に相談することをおすすめします。

痛みの原因としては、無理な姿勢や過度な力の入れ方が考えられますので、正しいフォームを確認してみましょう。また、トレーニングの強度を調整して、無理のない範囲で行うように心がけましょう。安全にトレーニングを続けるためには、自分の体の声をしっかりと聞くことが大切です。

妊娠・出産後でも安全にトレーニングできる?

妊娠・出産後の女性にとって、骨盤底筋トレーニングは特に重要です。産後の骨盤底筋は弱くなりがちですが、適切なトレーニングを行うことで回復を促進できます。

ただし産後すぐに始めることは避けて、医師の許可を得てから行うようにしましょう。トレーニングを始める際は、無理のない範囲でゆっくりと進めることが大切です。特に腹圧をかけすぎないように注意して、呼吸を意識しながら行うと効果的です。

安全にトレーニングを行うことで、体の回復を助けて、日常生活をより快適に過ごせるようになります

男性が骨盤底筋トレーニングを行うメリットは?

骨盤底筋トレーニングは女性だけでなく、男性にとっても多くのメリットがあります。男性が骨盤底筋トレーニングを行うことで、尿漏れの予防や改善、さらには性機能の向上が期待できます。

骨盤底筋は、内臓を支える重要な役割を果たしているため強化することで全体的な健康状態の改善が見込めます日常のストレスを軽減して、リラックス効果も得られるため、心身のバランスを整えるのにも役立ちます。男性も積極的に取り入れて、健康的な生活をサポートしましょう

骨盤底筋トレーニングと併せて意識したい生活習慣

骨盤底筋トレーニングを行うだけでなく、日常の生活習慣を見直すことでその効果をさらに高めることができます。日々の姿勢や動作に気をつけたり、食生活を改善することで、より健康的な体を手に入れることが可能です。

骨盤底筋トレーニングの効果を最大限に引き出すために、意識したい生活習慣について詳しく解説します。

日常の姿勢や動作を改善して、骨盤底筋をサポート

骨盤底筋を効果的に鍛えるためには、日常の姿勢や動作を見直すことが重要です。まず、立つときや座るときに骨盤をしっかり立てるように意識しましょう。これにより、骨盤底筋が自然と活性化されて、トレーニング効果が高まります。

段ボール 荷物

また、重いものを持ち上げる際には腰を曲げずに、膝を使って持ち上げることが大切です。正しい姿勢を保つことで、骨盤底筋への負担を軽減して、日常生活の中で自然と筋力をサポートすることができます。

さらに、歩くときにもできることがあります。背筋を伸ばして、足を大きく前に出すことを心がけると良いでしょう。骨盤周りの筋肉を効率的に使うことができて、骨盤底筋の強化につながります。

日常の小さな動作の積み重ねが、骨盤底筋の健康を支える大きな要素となるんです。

食事や水分補給で、内側からも骨盤底筋にアプローチ

骨盤底筋を健康に保つためには、食事や水分補給も重要な要素となります。バランスの良い食事を心がけて、特にビタミンやミネラルが豊富な食材を摂取することで、筋肉の回復や強化をサポートします

例えば、カルシウムやマグネシウムを含む食材は、筋肉の収縮を助けて、骨盤底筋の働きを向上させます。

また、十分な水分補給も欠かせません。水分をしっかり摂ることで、体内の循環が良くなり、筋肉の疲労回復を促進します。特に運動後は水分補給を怠らず、体内のバランスを整えることが大切です。

食事と水分の見直しをすることにより、内側から骨盤底筋をサポートして、トレーニング効果をさらに高めることが可能になるでしょう。

監修者プロフィール

なか整形外科リハビリテーションクリニック
トレーナー 佐藤舞

なか整形外科リハビリテーションクリニック トレーナー 佐藤舞日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。柔道整復師京都にある「なか整形外科リハビリテーションクリニック」で高齢者や、アスリートに向けた怪我の再発予防、競技力向上のためのトレーニングを指導。そして趣味である筋トレで、ボディメイクの大会に出場し、入賞経験の実績もある。メディカルリハビリテーション、アスリートリハビリテーションでのトレーニングに限らず、ボディメイク分野においても活動を展開し幅広いトレーニングを提供している。

<Edit:編集部>

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