マラソン練習後におすすめの過ごし方│東京マラソン完走HOW TO

[ 2025年3月1日 09:00 ]

走り終わったら、シャワーで汗を流して終わりというランナーは多いはず。あるいはそのまま仲間と飲みに行く……なんていう方もいることでしょう。

しかしそれでは、トレーニングで蓄積された疲労は残ったまま。翌日になっても疲れが取れません。

では、どうやって疲労回復を目指すのか。さまざまな方法が存在しますが、ここでは私自身の経験からオススメの方法を5つご紹介します。

ランナーが教える、トレーニング後の疲労回復方法

疲労回復は大会直前だけでなく、日頃から取り組んでいくことが大切。まずは1つでもできそうなものを見つけて、実践してみてください。

1.ストレッチ

運動によって筋肉は固くなります。これを伸ばし、柔らかくするのがストレッチの目的です。

下肢のストレッチに注目されがちですが、ランニングは全身運動です。実は上半身の筋肉も疲労し、固くなっています。

そのまま放置して固いまま翌日走ると、痛みなどの原因になることも。下肢を重点にすることは構いませんが、できるだけ全身の筋肉をしっかり伸ばすようにしてください。

マッサージ

マッサージはストレッチの前に行うのがオススメです。マッサージで凝り固まった部分を解しておくことで、ストレッチでしっかり筋肉が伸びるようになります。

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入浴

走った後はシャワーで済ませず入浴しましょう。入浴は水圧によるマッサージ効果や温浴による血流促進など、疲労回復に大きな効果が期待できます。

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食事、サプリメント

ランニング後は多くのエネルギーを消費するほか、筋肉もダメージを受けています。疲労を回復させるには、しっかり栄養を摂りましょう。

水分やクエン酸、糖質などは、運動後の早い段階で摂取することが重要とされています。

また、負荷の高いトレーニングを行った場合は、筋肉の修復を支えるタンパク質も補給すると良いでしょう。

とはいえ、走った直後にすぐ食事というのは難しいかもしれません。そういった際には、サプリメントの利用もオススメです。

私はよくランニング後、プロテインとアミノ酸(グルタミン)をサプリメントで摂取してからお風呂に入り、それから食事をとっています。

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低周波治療器

市販の低周波治療器でも、筋肉疲労の回復効果が期待できます。最近は携帯できる小型の製品も出ていますので、これなら持ち運びに便利でしょう。

私は自宅に据え置き型で少し高機能な低周波治療器を持っていますが、遠征・出張時用にはUSB充電できる小型のものを携帯しています。

なお、低周波治療器は使用方法を確認のうえ、正しく使うようにしてください。とくに肌へ触れるパッドは使用を重ねると粘着性が低下し、人によってピリピリとした刺激を感じるかもしれません。

そうした際はパッドを交換するなど、メンテナンスを行ってください。

アイシング、酸素カプセルなど

このほか、どこかに痛みを感じる場合にはアイシングもオススメです。氷のうなどを利用するのはもちろん、入浴に合わせ冷水シャワーでも代用できます。

そのほか治療院でメンテナンス、最近では酸素カプセルなども身近になってきました。実際の効果はもちろん、「ちゃんと疲労回復に取り組んだから大丈夫」という気持ちは、安心感や自信となって走りにもプラスになるはずです。

なぜランナーに疲労回復が重要なのか?

疲れが残った状態では、トレーニング時に高いパフォーマンスを発揮できないでしょう。思うようにスピードが出せなかったり、いつもより早く疲れてしまったり。その積み重ねでは、いくら毎日のように走っても大きな成長は望めないものです。

では、同じように大会本番を迎えたらどうでしょうか。

当然ながら、大会だからといっていきなり疲労が回復することはありません。やはり思うような走りができず、練習の成果は発揮されないまま終わってしまう可能性が高いはず。

もしかしたら疲労の蓄積が仇となり、大会中に怪我を起こしてしまうかもしれません。

新品の自転車でも、乗り続けているうちにチェーンが錆びてくるものです。そして、錆びたまま乗ればギシギシと変な音が鳴って漕ぎづらく、無理すると切れてしまいます。しっかりメンテナンスして錆を取らないと、快適に乗ることはできません。

これは人の身体も同様。疲労を取り除いてこそ高いパフォーマンスが発揮できます。つまり怪我せず大会本番を迎え、かつ100%の走りでゴールを目指すために、疲労回復がとても大切なのです。

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筆者プロフィール

三河賢文(みかわ・まさふみ)

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文>

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