【ボートレースコラム】重圧に襲われながらフカキョンと優香を撮影したあの頃 初心の大切さを思い出す春

[ 2025年3月11日 04:30 ]

ルーキーシリーズでのスタート特訓風景。夢のある若者たちの頑張る姿がオジサン記者にはまぶしい
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 3月は別れの季節。環境の変化を感じるたびに自身のテキトーな人生を振り返る機会も多くなる。初めて就職したのが28年前。初の配属は文化社会部=芸能担当だった。

 レース部を希望していたが、酒席で先輩記者から「好きなことを仕事にすると、いい面より、それ以上に嫌な面の方が多いよ」と諭された。

 10年後くらいにようやく、その意味が分かった。取材を通じて、憧れと現実がかけ離れていることを知る機会もよくある。それにレース部に破滅型の人間が多かった時代だ。

 記者になっての初仕事は今でもよく覚えている。深田恭子と優香のイベント取材だった。ヘビースモーカーの女性デスクから「コレ行ってきて。記者カメだから頼むよ」と、くわえタバコのまま、リリースを渡された。

 記者カメとは記者がカメラも兼任することで、仕事量が倍以上になる。ライバルを押しのけて好位を確保しないと、写真メインのグラビアアイドルが横顔でピンボケなんていうヘタを打つこともあるので結構プレッシャーがかかる。

 池袋サンシャインシティの噴水広場に出向き、必死の形相でメモを取った。原稿用紙に書いてファクスで送信。たった30行の原稿に2時間近くかけて頭を悩ませた気がする。

 翌日、東急大井町線の二子玉川(当時二子玉川園)駅に新聞を買いに行った。自分が書いた原稿がホントに載ってるんだろうか。紙面を開いた時の緊張感と達成感。あの時の初心は、よわい50を過ぎても、たまに思い返すこともある。

 現在、ボートレースまるがめでルーキーシリーズを取材中だ。初勝利にまだ手が届かない選手もいれば、6コース1本で経験を積んでいる選手もいる。5月に地元で初のSG参戦を控える逸材もいる。志はそれぞれ違えど、みな貪欲に、がむしゃらに戦っている。そんな姿を見ると忘れかけていた初心の大切さが身に染みる。

 ギャンブルファンのご同輩に改めて問うてみたい。あなたの初心は、どこにしまってありますか。(白鳥 幹太)

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