要潤 「らんまん」英語のセリフ 「ルー大柴さんにならないように」

[ 2023年6月1日 08:40 ]

連続テレビ小説「らんまん」で田邊教授を演じる要潤(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】俳優の要潤(42)がNHK連続テレビ小説「らんまん」で、主人公の万太郎(神木隆之介)が出入りする東京大学植物学教室の初代教授・田邊彰久を演じている。

 先月16、17日の放送で描かれた万太郎との初対面の場面は緊張感に満ちていた。

 インタビューに応じた要は「あの場面では、万太郎との関係性を明確に視聴者のみなさんに示さないようにした方が良いと考え演じました。ちょっと食えない感じのキャラクターを印象付けるために、曖昧な表情を少しずつ入れて、2人の今後の関係に興味を抱いていただけるようなシーンにしたいと思いました」と振りかえる。

 万太郎は植物学教室への出入りを希望。田邊教授は万太郎の植物標本などへの関心から、周囲の反対を押し切って許可した。

 「田邊教授にとって万太郎は、会社の関係に例えれば『よくできる社員の一人』だと思います。味方につけると心強いが、敵に回せば怖い存在という思いでお芝居をしています。田邊教授はこれから万太郎に対して徐々にストレスをかけていきます。二人は両極の存在になっていきますが、どちらの気持ちもみなさんに分かっていただけると思います。朝ドラでこんなことを言っても良いのか?と、かなり刺激のあるセリフが出てきたり、視聴者の皆さんを良い意味で裏切るようなサプライズが待っています」

 神木とは、自身のデビュー作となった特撮ドラマ「仮面ライダーアギト」(2001年)やドラマ「探偵学園Q」(06年、07年)で共演している。

 「神木くんのことは8歳の頃から知っています。次に13歳の時に『探偵学園Q』でご一緒して、今は30歳なので、彼の成長をずっと見ている感じがします。お芝居の時も、わが子を見守るような気持ちになりますね。それは田邊教授の気持ちに近いかもしれません。8歳の頃のお芝居と今のお芝居は全く違うので、年齢とともにお芝居は変わるんだな…と余計なことを考えてしまうこともあります。僕は割と、お芝居では裏に行こうとしますが、神木くんは真っ正面に行きます。とても純粋で、そこはまさに万太郎にぴったりだと思います」

 田邊教授は万太郎らとの会話で英語と日本語を交互に使うのが特徴だ。

 「ずっと語学を勉強してきたので、英語はあまり苦労しませんでした。あの時代の英語を学習した人ならば、こういう英語を話すかもしれないな、という想像をしながらお芝居をしています。僕の不完全な英語を、監修の方に直していただいて、より完成度の高い当時の英語が成立しています。また、英語のテンポと日本語のテンポは全然違うので、神木くんが『ごちゃごちゃになって難しい』と言っていて、僕もそこは気をつけています。セリフによっては英語の方が楽な時がありますが、ルー大柴さんにならないように気をつけています(笑)」

 その独特のキャラクターが今後も視聴者を強く引きつけそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

続きを表示

2023年6月1日のニュース