藤井王将の本拠・名古屋に待望の対局場 初の常設、名人戦順位戦も指せる!

[ 2022年3月17日 05:30 ]

藤井聡太王将
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 日本将棋連盟は16日、名古屋市に公式戦会場「名古屋対局場(仮称)」を新設すると発表した。愛知県瀬戸市在住の藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含め5冠=にとっては待望の「本拠地」が実現することになる。

 場所は名古屋市中村区のミッドランドスクエア・トヨタ自動車名古屋オフィス内。JR名古屋駅桜通口から徒歩5分の至近距離にあり、レストラン、映画館に加え、オフィスなどで構成される46階建てのランドマークとして有名。6月の第81期名人戦順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)開幕局から使用され、以降も主に順位戦の対局拠点となる予定だ。

 同連盟の常設対局場は東京都渋谷区の将棋会館と大阪市福島区の関西将棋会館の2カ所。名古屋ではタイトル戦や一般棋戦の朝日杯などの開催実績があるものの、常設会場の開設は初めてとなる。

 名古屋市では藤井の活躍を受け、18年ごろから河村たかし市長が公言するなど、市内での対局場開設を模索。20年には同市が連盟に持ち掛け、将棋文化の活性化に向けた連携協定を結んでいた。

 名古屋市内の将棋拠点開設は、同市を拠点に生涯活動した故板谷進九段の悲願でもあった。板谷九段は藤井の師匠・杉本昌隆八段の師匠で、藤井にとっては大師匠にあたる。

 日本将棋連盟の佐藤康光会長は「このたび、トヨタ自動車さまにご協力を賜り、名古屋対局場開設の運びとなりました。近年は藤井聡太竜王をはじめ、中部・東海エリア出身の棋士・女流棋士の活躍が目覚ましいですが、より一層の将棋文化の発展と中部・東海エリアの地域活性化に努めてまいります」とコメント。名古屋会場の使用については順位戦主催者と対局場提供のトヨタ自動車とともに今後調整する。

 藤井は関西所属だが、瀬戸市在住のため関西将棋会館で対局する場合でも前泊が原則。名古屋対局場の開設により、同所を使用する際には前泊の必要がなくなるため、移動の負担が減ることになる。第81期からA級に昇格する藤井にとっては対局に専念しやすい環境となることは確実だ。

 【日本将棋連盟の2拠点】東京・将棋会館 大山康晴15世名人らの尽力により1976年、渋谷区千駄ケ谷2丁目に完成。地上5階、地下1階。対局場の他、連盟事務局、売店、道場などがある。老朽化に伴い、24年9月に同1丁目の新会館に移転予定。

 大阪・関西将棋会館 81年、大阪市福島区福島6丁目に完成。地上5階建てで、対局場、事務所、道場の他、藤井の好物「バターライス」があることで知られるレストラン「イレブン」もある。こちらも老朽化が進み、23年度には大阪府高槻市への移転が決まっている。

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2022年3月17日のニュース