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那須川天心に判定で敗れたモロニー その戦いぶりに元世界王者の小国「希望を見た」

[ 2025年2月27日 20:58 ]

6R、モロニー(左)が右を那須川に当てる(撮影・島崎 忠彦)
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 プロボクシング元日本スーパーライト級王者・細川バレンタイン氏が27日までに自身のYouTubeチャンネル「前向き教室」を更新。元IBF世界スーパーバンタム級王者の小国以載(角海老宝石)が出演し、WBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王者の那須川天心(26=帝拳)が前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(34=オーストラリア)を判定3―0(98―92、97―93×2)で破ったノンタイトル10回戦について語った。

 まず判定について小国は「つけるなら、あのポイントじゃないですか」と異論はないことを断言。「(6回に右を被弾して腰が落ちるなど那須川の)危ないシーンを見たから“ウッソー!!”みたいになったけど。ポイントを振るなら天心」「モロニーが明確に取ったラウンドは1Rと6R」などと指摘した。また、打ち合った場面に関し「大丈夫という前提のもと、やっているだけ」。モロニーから形勢逆転につながるような危険なパンチをもらわない体勢や状況を築きつつ、倒す機会を探ったものと見立てた。細川氏も、これにほぼ同意した。

 そして話題は細川氏が「サウスポー苦手」と試合前から指摘したモロニーの戦いぶりについて。「サウスポー苦手」を公言する小国は「モロニーは(那須川に)2発効かせて。やればできる、という希望を見た」とモロニーが世界ベルトを失った武居由樹(大橋)戦から左対策に進境があったことを称えた。

 ここから現在36歳、小国のここまでの競技人生を振り返る展開に。神戸第一高時代は「先生が合宿でサウスポーとしかやらせてくれんかった。嫌というほどサウスポーと練習やって。得意というか、勝てるようになったんですよ。3年生の頃は全然、サウスポーいけるように」と述懐した。

 「でもプロって。右(の対戦相手)と試合決まったら(練習は)右としかしないじゃないですか」。プロでは11戦目、東洋太平洋スーパーバンタム級王座4度目の防衛戦で和気慎吾に10回終了TKOで敗れるまでサウスポーとの対戦がなかった。「和気さんとやるまで、アマチュアやめてから(対左の練習は)ずーっと、なくて。(サウスポー対処法を)忘れるじゃないですか。それでアカンわ、と。周りもサウスポーとは、やらせなくなる」。16年大みそかにグスマンから判定3―0でIBF世界同級王座を奪い、翌年9月の初防衛戦でサウスポーの岩佐亮佑に6回TKO負け、王座陥落した。サウスポーと対戦が決まれば熱心に対策するものの、十分に間に合わないまま試合を迎えて敗れ、その後は対戦をなるべく避ける状況が続いた。習熟する機会を逃し続けたという。「モロニーが良かったのは武居から天心へ(サウスポーとの対戦が)続いたのはあったと思う」。本腰を入れて苦手克服に取り組んだ成果であることを指摘した。

 いまだ苦手克服できていない小国は「定期的にやらなアカンわ」と実感を込めた。細川氏から「穴があるのは一番ダメやん」とツッコミを入れられ、小国は「サウスポーは極力、断れる。(世界王者の立場で)指名試合以外は断れるから。楽な方を選んできた結果がコレですわ」と自虐的に笑った。

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