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浜田剛史氏 速さ、タイミング 矢吹の勝因はパンチ力 拳四朗に出た今までない焦り

[ 2021年9月23日 05:30 ]

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   ○同級1位・矢吹正道 TKO10回2分59秒 王者・寺地拳四朗● ( 2021年9月22日    京都市体育館 )

<WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ>第5R、寺地拳四朗にパンチを見舞う矢吹正道(撮影・坂田 高浩)
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 【浜田剛史の目】5回から攻めに出た寺地の焦り方は今まで見たことがないものだった。本人は接戦と思っていたはずの4回終了後の途中採点で36―40が2人もいた。攻めたのは当然だが、相手のパンチを外して打つ良さがなく、普段よりも打たれてしまっていた。4点差でも寺地のキャリアならコツコツ1点ずつ返すのは難しくなかったはずだ。

 矢吹の勝因はパンチ力。右も左も大振りだったが、ハンドスピードがあってタイミングも良く、ラウンド後半に打ち返して流れを渡さなかった。ボディーを攻められて10回はダウン寸前になったが、捨て身で反撃してストップまで持ち込んだ。寺地にはいつも以上に攻めて打ち疲れがあっただろうし、一発返されたあとに一度バックステップを踏む余裕もなかった。最低でもダウンを取って10―8にしなければとの焦りがあったのではないか。前の試合で苦戦したという気負いに、コロナ感染で直前の調整にも影響が出た。世界戦に臨むだけの心身のコンディションが整っていなかったのは残念だ。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2021年9月23日のニュース