幸せホルモン「セロトニン」の大半は“腸”で作られる。メンタルと腸内環境の関係性

[ 2025年4月22日 09:00 ]

メンタルと腸内環境は一見結びつかないように見えますが、お互いに影響しあう密接な関係があるといいます。腸内フローラ検査を展開する株式会社サイキンソーが、データや国内の研究内容を元に、メンタルと腸内環境の関連について解説しているので紹介します。

幸せホルモン「セロトニン」の大半は“腸”で作られる

気分や感情を調整するホルモン「セロトニン」は、その大半が腸内で作られています。

また、ストレス緩和や睡眠の改善などでよく聞く機能性成分の一つである「GABA(γ-アミノ酪酸)」も、腸内細菌が作り出すホルモン物質のひとつ。

なんとなく脳内で作られるイメージがありましたが、腸脳相関(脳と腸の関係)により、間接的に脳の機能に影響を与えると考えられているとのこと。

以前、株式会社サイキンソー 取締役副社長 執行役員 co-CEOの竹田綾さんに伺ったところ、「腸と脳は、自立神経やホルモンの働きを通じて深いつながりを持ち、お互いに影響しあう密接な関係がある」とのこと。

こうした 腸脳相関のメカニズムの解明において重要視されているのが、腸内フローラです。

なぜ「腸内環境を整える」ことがメンタルケアにつながるのか。メンタルに不調を抱える人に共通する“腸内環境の特徴”

メンタル不調がある人の腸内環境はバランスが崩れている

うつ病などメンタルに不調がある人の腸内環境は、以下の特徴があるといいます。

  • ビフィズス菌や酪酸産生菌を始めとした腸に良い「有用菌」の割合が少ない
  • がんや肥満などのリスクを高める可能性のある「要注意菌」の割合が多い

国立精神・神経医療研究センターの功刀先生らが行った研究 ※1 では、うつ病の患者はとくにビフィズス菌が少ないということが報告されています。

また、海外のいくつかの研究では、酪酸産生菌の代表格であるフィーカリバクテリウムが少ないという報告も※2。

さらに、弊社が京都大学・大阪大学と実施した共同研究 ※3では、強い育児ストレスを感じている0~4歳の乳幼児を養育中の母親は、育児ストレスの少ない母親と比べて腸内フローラの多様性が低く、いくつかの要注意菌の割合も高いことがわかりました。

※1:Possible association of Bifidobacterium and Lactobacillus in the gut microbiota of patients with major depressive disorder

※2:The Gut Microbiome in Depression and Potential Benefit of Prebiotics, Probiotics and Synbiotics: A Systematic Review of Clinical Trials and Observational Studies

※3:Intestinal Microbiome and Maternal Mental Health: Preventing Parental Stress and Enhancing Resilience in Mothers

次:メンタルを悪化させるNG生活習慣

メンタルを悪化させるNG生活習慣

■食生活の乱れ(いつも同じメニューの食事、野菜を摂らない)
■過食
■過度の飲酒
■1日中座りっぱなし
■運動習慣がない
■睡眠不足

「すべての人に共通して効果が出せる腸活はない」。とはいえ、ビフィズス菌をはじめとするプロバイオティクスによって、ストレス関連症状やうつ病症状が緩和される可能性があると考えられ、研究が進められています。

腸内環境を整えるおすすめの食材

ビフィズス菌はヨーグルトを始めとした発酵食品、プロバイオティクスサプリメントなどからも簡単に摂取ができます。

また、ビフィズス菌のエサとなる「穀類や芋など食物繊維が豊富な食材」や、「玉ねぎ」、「ハチミツ」、「バナナ」などオリゴ糖を含む食材を一緒に摂ることで、免疫機能を高める “ 短鎖脂肪酸 “ という有用物質も生み出してくれます。

竹田綾さんは、ストレスフルな生活の中でも腸内環境を意識する方法として、以下のコメントを出しています。

排便の頻度、色や形などの変化は、腸内環境悪化のサインかもしれません。そういうときは無理せず、たっぷりの野菜を取ってゆっくり湯船に浸かり、じゅうぶんな睡眠を確保するようにしてみましょう(竹田さん)

マイキンソー(Mykinso)について

自宅で誰でも簡単にできる腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービス。腸内フローラの良し悪しを5段階で評価する「腸内フローラ総合判定」の搭載に加え、ビフィズス菌や酪酸産生菌、エクオール産生菌などの有用菌、肥満菌やがんのリスクに関係がある要注意菌など10項目が確認できます。加えて、菌の項目に合わせて腸内環境を改善するためのアドバイスもお伝えします。全国 1,200 件以上の医療機関で受けられる「マイキンソー プロ(Mykinso Pro)」や乳幼児に特化した検査サービス「マイキンソー キッズ(Mykinso キッズ)」も展開しています。

【マイキンソー】腸内フローラ検査やってみた!面白すぎる結果が…!

<Edit:編集部>

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