バランスボールをイスとして使う大きなメリットとは?選び方や注意点も紹介

今ではトレーニングジムや職場、家庭でも広く使われているバランスボール。イスとして使うことはトレーニングやダイエットに効果的なのでしょうか? この記事では、バランスボールをイスとして使うことのメリットやバランスボールを選ぶ時のポイント、バランスボールを使ったトレーニング方法などをご紹介していきます。
バランスボールとは? 改めておさらい
バランスボールとは弾力性のある大きなボールです。大きさは直径45~75㎝とさまざまです。イタリアで開発され、1970年代にスイスの理学療法士スザンヌ・クラインフォーゲルによってスイスのリハビリテーション施設で使用され始めたことで一般に普及し始めました。
このため、バランスボールは「スイスボール」とも呼ばれることがあります。
その後、日本で流行り始めたのは2001年頃から。サッカー日本代表・中田英寿選手のすばやい方向転換やバランスの取れた動きを獲得し、体幹を強化するために使用していることをテレビで紹介したことがきっかけになったと言われています。
バランスボールをイス代わりに使うメリット
バランスボールに座るだけでも効果があるの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、イスとして使うだけでもインナーマッスルやコアマッスルを鍛えることができます。
インナーマッスル(深層筋群)とは?
からだの深層部に位置しており、おもに安定性と姿勢の維持に関与します。腹横筋や多裂筋、骨盤底筋群、内腹斜筋などがこれにあたります。
コアマッスル(体幹筋群)とは?
からだ全体の安定性と動きをサポートする筋群です。上記のインナーマッスルに加えて、腹直筋や外腹斜筋、脊柱起立筋、大腰筋、大臀筋がこれにあたります。
インナーマッスルやコアマッスルを鍛えると、具体的に次のような効果が期待できます。
姿勢の改善
筋力が弱まると姿勢が悪くなりがちですが、背骨を支える力が強くなることで姿勢が良くなります。また、バランスボールに座ると自然に背筋が伸び、正しい姿勢を維持するために背骨を正しい位置に保つようになります。長時間正しい姿勢を保つことで、姿勢が改善されることが期待されます。
腰痛の軽減
バランスボールに座ることで腰の動きが増え特定の姿勢に固定されないため、腰の負担が軽減されることがあります。そして体幹の強化が腰痛予防につながります。インナーマッスルには骨盤の位置や角度を調整する役割があると言われており、強化することで腰痛が改善する可能性があります。
関節の安定化
関節を正しい位置に安定させると身体の動きがスムーズになり、日常生活やスポーツのパフォーマンスの向上が期待できます。また、体がグラつきにくくなるため、ケガの予防にもつながります。
基礎代謝の向上
一般的に筋肉量が多いほうが基礎代謝が高くなる傾向があります。インナーマッスルを鍛えて筋肉が活性化されると基礎代謝量がアップして、運動をしていない間もエネルギーが消費され太りにくくなります。
内臓の支持や呼吸の効率化
インナーマッスルを強化すると、垂れ下がっていた内臓を元の位置に戻すことができる可能性があります。呼吸がしやすくなったり、胃や腸などの低下していた内臓機能がよくなり、胃下垂や便秘などの改善が見込めます。
血流促進やむくみ解消
バランスを取るために動くことで、自然とストレッチ効果が。これにより筋肉の緊張がほぐれやすくなります。さらに、インナーマッスルを鍛えることで筋肉のポンプ作用がより機能するようになり、血流促進やむくみ解消などの効果も期待。冷え性も改善される可能性があります。
バランスボールの選び方のポイント
バランスボールはスポーツ用品店や家電量販店、インターネットでも手に入ります。値段は安いものですと数百円のものから、トレーニングジムなどで使われるような本格的なものだと2~3万円ほどします。
バランスボールを選ぶ際のポイントをいくつかあげますので、購入する際の参考にしてください。
自分の体に合ったバランスボールを選ぶ
バランスボールにはサイズがあります。自身の身長をベースにして選びましょう。
身長 |
ボールのサイズ(直径) |
130cm以下 |
30 ~ 35 |
130cm ~ 145cm |
45 |
145cm ~ 160cm |
55 |
160cm ~ 175cm |
65 |
参考:https://g-ball.or.jp/office-ball/
上記を目安に、実際にバランスボールに座ったときに膝の角度が約90度になるサイズ感のバランスボールを選ぶとよいでしょう。足が床にピッタリつかないと転倒してしまいます。
また、バランスボールの空気は入れすぎてしまうと本来の効果が薄まる可能性や転倒するリスクも高まるので、座った時に少し沈み込む程度に膨らませるのがベストです。
デスクに合ったサイズを選ぶ
イスとして日常的に使用するのであれば、デスクの高さと合うサイズ感を選びましょう。また、オフィスで使用する際は周りへの配慮も必要です。通常のイスよりスペースをとってしまったり、転がってしまい、まわりにいる人に迷惑がかかったりすることもあります。
最近では、脚のついたバランスボールや、ボールを固定する台がセットになっている商品もあるので、会社で使う場合はそういったものをチョイスするのがよいでしょう。
耐久性で選ぶ
長時間使用することも考慮して、耐久性がしっかりあるバランスボールを選びましょう。一般的にバランスボールはある程度の重量には耐えられるように設計されていますが、あまりに安価なバランスボールは破裂や変形の可能性があります。以下の点に気を付けるといいでしょう。
厚みのある素材
バランスボールの素材が厚く、丈夫であることが耐久性の鍵です。PVC(ポリ塩化ビニル)やTPR(熱可塑性ゴム)などの高品質素材が使われているものは、耐久性が高く、耐荷重量も高い傾向にあります。
アンチバースト設計
「アンチバースト」と表記されたバランスボールは、破裂しにくい設計になっています。万が一、穴が開いてもゆっくりと空気が抜けるため、安全性も高いです。
二重層構造
二重層構造のバランスボールは、内層と外層が別々の素材で作られているため、耐久性が向上しています。これにより、ボールが破れにくくなっています。
適切なサイズ
使用する人の体型に合った適切なサイズのバランスボールを選ぶことも重要です。過度に小さいまたは大きいボールは、ストレスがかかりやすく、破損のリスクが高まります。
シームレスデザイン
シームレス(継ぎ目のない)デザインのバランスボールは、継ぎ目がほころびにくく、耐久性が高いです。
イスとして利用する以外に、高い負荷をかけたトレーニングにバランスボールを利用する方は、耐荷重200㎏以上の耐久性の高いバランスボールを選びましょう。
次のページ:バランスボールを使用したトレーニング方法を紹介
バランスボールを使用したトレーニング方法
バランスボールは座っているだけでも、インナーマッスルやコアマッスルの活性化、姿勢の改善、バランス感覚の向上、カロリー消費などの効果が期待できますが、バランスボールを利用したトレーニングも合わせて実施することでさらに高い効果が得られます。代表的なトレーニングを紹介します。
バランスボールプランク
対象筋群:腹筋、背筋、肩
やり方
1.バランスボールの上に肘をつき、前腕をボールに置く。
2.足を伸ばしてつま先で体を支え、体を一直線に保つ。
3.この姿勢を30秒から1分間保持する。
4.徐々に時間を延ばしていく。
バランスボールスクワット
対象筋群: 太もも、臀部、コアマッスル
やり方
1.バランスボールを背中と壁の間に置く。
2.足を肩幅に開き、背中をボールに寄りかかるようにして立つ。
3.膝を曲げてスクワットの姿勢になる。膝が90度の角度になるまで下げる。
4.ゆっくりと元の立った姿勢に戻る。
5.これを10〜15回繰り返す。
バランスボールクランチ
対象筋群: 腹直筋
やり方
1.バランスボールの上に腰を乗せ、膝を90度に曲げて足を地面につける。
2.手を頭の後ろに置き、肩甲骨を床から持ち上げるようにして腹筋を収縮させる。
3.ゆっくりと元の位置に戻る。
4.これを15〜20回繰り返す。
バランスボールブリッジ
対象筋群: 臀筋、背筋、ハムストリングス
やり方
1.仰向けに寝て、かかとをバランスボールの上に置く。
2.手を床に置いて体を安定させる。
3.ヒップを持ち上げ、体が一直線になるようにする。
4.1〜2秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻る。
5.これを10〜15回繰り返す。
バランスボールバードドッグ
対象筋群: コアマッスル、背筋
やり方
1.バランスボールの上に腹這いになり、手と膝で体を支える。
2.右手と左足を同時に伸ばし、バランスを保つ。
3.数秒間保持した後、ゆっくりと元の位置に戻る。
4.左手と右足で同様に繰り返す。
5.各サイドを10回ずつ行う。
バランスボールプッシュアップ
対象筋群: 胸筋、三頭筋、肩
やり方
1.両手をバランスボールの上に置き、足を後ろに伸ばしてプランクの姿勢を取る。
2.胸をボールに近づけるように肘を曲げて腕立て伏せを行う。
3.ゆっくりと腕を伸ばして元の位置に戻る。
4.これを10〜15回繰り返す。
\バランスボールトレーニングを動画で見てみよう/
バランスボールを使ったトレーニングの注意点
バランスボールを使ったトレーニングは正しいフォームを維持することがもっとも重要です。正しいフォームでできていないと、使っていても効果が表れません。
バランスが取りにくい場合は、安定した場所で行うか、壁や家具につかまりながら行いましょう。転倒する可能性もあるので、ある程度広い場所を選ぶのがおすすめです。
また、無理な姿勢を続けているとかえって身体を痛めてしまうことも。過度な使用もあまりよくありません。筋肉痛とは違う痛みを感じる場合は回復してから、正しいフォームでトレーニングを行いましょう。
動きに慣れて負荷が軽すぎると感じたら、セット数を増やすのもいいでしょう。
効率を重視し「ながらトレーニング」を取り入れる
このようにバランスボールをイスとして使うことでたくさんのメリットがあります。
「時間を作ってランニングをしたり筋トレをするのが難しい」という方は、バランスボールを活用して普段の時間をトレーニングの時間にしてしまう「ながらトレーニング」を取り入れてみてもいいと思います。
ただし、バランスボールは安定性が低いため、初めて使う人やバランス感覚が良くない人にとって、落ち着いて作業するのが難しい場合があります。さらに、転倒やケガのリスクがあるため、慣れるまで注意が必要ですし、集中力を必要とする作業(例: 複雑な計算、文章の作成など)には向いていない場合があります。
ただ、逆に慣れてくれば、いつもの仕事時間やテレビ時間をトレーニング時間に変えることが出来て、効率的な時間の活用にもなります。ご自身のライフスタイルに加えてみてはいかがでしょうか。
監修者
野田博之
パーソナルトレーナー
トレーニング健康事業を営む「株式会社Reblood」代表取締役。福岡でパーソナルトレーニングジム「ULTRA MAINTENANCE」を3店舗経営。
<TEXT:MELOS編集部>
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