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こだわり旬の旅

【長野】県産ワインお供に80分 長野→湯田中ホロ酔い車窓の旅 厳選7種が飲み放題

[ 2025年2月3日 19:00 ]

雪景色の中をのんびりと走るワインバレー列車。ロマンスカーを思い出す

 おいしい長野県産ワインを飲みながら車窓の旅を楽しめる電車があると聞いて、長野市へ向かった。長野電鉄長野駅―湯田中駅(山ノ内町)を結ぶ「北信濃ワインバレー列車~のんびり号~」。約1時間20分、食事をしながら7種のワインが飲み放題という、うれしい電車。湯田中駅からはスノーモンキーが大人気の地獄谷野猿公苑にも足を伸ばし、北信濃の冬を満喫した。

 JR北陸新幹線長野駅から歩いて約5分、長野電鉄長野駅で出発を待つ電車を前にした瞬間、初対面にもかかわらず懐かしさを感じた。それもそのはず、4両編成の電車は赤と白のコントラストが美しい、あのロマンスカーを小田急電鉄から無償で譲り受け、リノベーションしたもの。そのうちの1車両(繁忙期は2車両に)がワインバレー列車になっている。

 勇躍、車内に乗り込むと、中央に半円形のカウンターが設置され、上には北信濃地区のワイナリーから厳選された赤、白、ロゼのワイン7種類がズラリ。品質面で日本のワインをリードするといわれる長野県産ワインが自由に飲めるのだから、思わず頬も緩む。

 向かい合わせになった座席のテーブルには、既に昼食&おつまみ兼用の「のんびりべんとう」が置かれており、午後1時8分、出発と同時に女性アテンダントの音頭で乗客全員で乾杯。手には、たかやしろファーム(中野市)の「シャルドネ」(白)。フレッシュな味わいが旅への期待を高まらせる。

 べんとうの中身は、ハムチーズキャロットサンドや、モッツァレラチーズクルミ味噌、信州ワインブレッドクリームチーズなど11種類。どれもが赤白、ロゼに相性がいいと聞いて、2杯目は果実味と上品な渋みがマッチしたサンクゼール(飯綱町)の「長野ルージュ」(赤)、3杯目は甘い香りに軽い口当たりの、楠ワイナリー(須坂市)の「鎧塚アミュレット」とグラスが進む。

 車窓に目をやると、敦賀駅(福井県)まで延伸した高架を走る北陸新幹線、コメやリンゴの田園風景、黒姫山、妙高山、飯縄山などの雄大な山並みが広がり、ゆったり流れる千曲川や栗で知られる小布施市の小布施駅では一時停車。こちらもワインバレー列車ならではのごちそうだ。

 その間も、エレガントで優しい味わいの「楠R」(赤、楠ワイナリー)、酸味と渋みのバランスがいい「カベルネソーヴィニョン&メルロー」(赤、たかやしろファーム)とグラスを重ねたが、そこで終点・湯田中駅に到着。通常約40分のところを倍の約80分かけて“のんびり”走るワインバレー列車。あと2種類飲むことはできなかったが、ホロ酔い気分で大満足。長野電鉄では日本酒による「信州地酒トレイン」(4月から毎月第3土曜日など)も予定しており、さらに芳醇な香りに包まれそうだ。

 ▽行かれる方へ ワインバレー列車は毎土・日曜日・祝・振替休日1往復運行。料金は3人以上1人6500円(2人以下プラス1000円)。車内ではおやき、栗ようかん、100%りんごジュースなどの特産品や土産品を販売。問い合わせは長野電鉄お客様サポートセンター=(電)026(248)6000。  

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