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ロス五輪出場枠決定も…納得欠いた「男女平等」ありきの数合わせ

[ 2025年4月11日 05:01 ]

スイスのローザンヌので行われたIOC理事会に出席した次期会長のコベントリー氏(左)。右は開会式で演説するバッハ会長(AP)
Photo By AP

 【記者の目】五輪が商業化へかじを切った1984年のロサンゼルス大会から40年余り。当時は全体の22・9%でしかなかった女子選手が、史上初めて男子を上回ることが決まった。6月にはIOC初の女性会長としてカースティ・コベントリー理事が就任する。同氏が会長として迎える初の夏季五輪に向けた“お膳立て”と見る向きもあるが、男女平等は時代の要望。五輪が次のフェーズに移るスタートに立ったと考える。

 ただし、納得感のある説明を欠いたままサッカーの男女出場チーム数が逆転したように、目的ありきの数合わせは承服しかねる。割を食うのは4年に1度の舞台のため、人生を懸けているアスリートたち。そこに男女の違いはなく、時代の犠牲者を生んではならない。

 一応の男女平等を見た五輪を、今後どう発展させるかはコベントリー氏の手腕にかかっている。肥大化する大会は、もはや小国が開催することは不可能。新たな格差と真摯(しんし)に向き合い、より魅力ある大会へ発展させてほしい。(五輪担当キャップ・阿部 令)

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