×

「五輪より住む家欲しい~」ホームレス猛抗議デモ

[ 2010年2月8日 17:29 ]

 冬季五輪開幕を控えたバンクーバー市で7日(日本時間8日)、ホームレスや低所得者ら300人以上が参加して「貧困五輪」と銘打ったデモと集会を行った。五輪に使う資金を貧困層の福祉や住宅対策に充てるべきだと、カナダ政府や市当局に抗議した。

 デモは複数の慈善団体が主催。ショッピングカートに生活物資を詰め込んだ参加者らが手作りの「聖火」を中心にして路上を練り歩き、音楽を演奏して気勢を上げた。日系の文化施設で行われた集会では、アイスホッケーの試合で「貧困チーム」対「政府、大企業チーム」という想定の寸劇を披露するなどして、五輪開催を批判した。
 約半年前に建築関係の仕事を失い、ホームレスになったブライアン・プロコープさん(57)は「ビルの廊下で毎晩寝床を確保している。凍死する前に対策を打ってほしい」とまくしたてた。
 バンクーバーには長期的にホームレスの状態にある人が1000人以上いるとされ、社会問題の一つになっている。市当局などが臨時宿泊施設を設けるが、市中心部の近くでもホームレスが多くたむろする地区もある。
 デモ主催者の1人で女性のウェンディ・ピーダーセンさんは「五輪に投じる費用は貧困層にはただの浪費。政府や地元当局はその巨費を社会の改善のために使うべきだ」と語った。(共同)

続きを表示

2010年2月8日のニュース