【競輪 浅井康太コラム「虎視眈々」】地に足を付けず…“弱い方のこーた”はまだまだ頑張っていきます

[ 2025年5月31日 05:00 ]

神山雄一郎さんとツーショット写真を撮ることができました!
Photo By 提供写真

 先日の“神山雄一郎引退記念パーティー”に出席してきました。300人弱でしょうか。たくさんの方々が来ていました。

 まず始めに関係者のあいさつが数人程度ありました。中でも印象に残ったのは栃木県知事のところに引退のあいさつへ行った時の話。神山さんは「この日まで地に足を付けずに頑張ってきました」と報告したそうです。

 焦らず、着実に、安定して進めていくことを「地に足をつける」と言いますが、神山さんの場合は逆でした。

 “たくさんペダルをこぎ、長い時間練習に励んできた”のでしょう。それは自転車乗りには必要なことで、自転車を着実に、安定して進めていくことにつながり、たくさんのタイトルを獲得されたのでしょう。

 この時、私はもっと自転車に乗る時間を増やさないといけない、もう少し自分に厳しくなって憧れの神山雄一郎さんに一歩でも近づきたいと思いました。

 乾杯が終わり、お酒が少し入ったところで神山さんのところへ、ツーショット写真のお願いをしに行きました。

 顔を合わせてすぐに神山さんから「浅井!応援しているからタイトル獲ってくれ」との言葉を頂きました。

 まさか40歳の私にそんなことを伝えてくれるとは思いもせず、びっくりしましたが、「努力します」と返答させていただきました。

 またここで気が引き締まりますよねえ(笑い)。マジで努力しないと!と思いました。

 タイトルを狙えるのは、あと数年だと自覚しています。ダメ元でも神山さんとの約束を果たすべく、やれる努力はやり尽くしたい。そして、引退したい。

 引退といえば…。強い方の“こーた”が辞めてしまいました。私は弱い方の“こーた”です。亡き父からよくそう言われました。

 私はあの人がいたから頑張れた。こかし(倒し)、こかされ(倒され)、たくさんやり合った記憶があります。そして、若い時には「初めてライバルができたよ」の言葉を頂きました。

 彼が辞めた日、その話を含めたLINEを送りました。そして10分後。「君がいたから頑張れた」との返信…。

 泣けました。あの人は最後までカッコよかった。ありがとう、平原康多。(競輪選手)

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