【宝塚記念】モンテクリスエス　序盤の位置取りがカギ

　【Ｇ１ドキュメント＝２１日】報道陣が詰めかけた調教スタンド。視線が坂路モニターに集まるなか、開門直後に駆け上がってきたのはモンテクリスエスだ。まずは１本目をゆったりとしたペースで４Ｆ７２秒９を刻むと、その１５分後に２本目。カノンコード（６歳１６００万）と併せて４Ｆ５３秒０～１３秒０だった。騎乗した幸が馬から下りると、タイミングを見計らって次々と記者が駆け寄った。鞍上は「隣の馬の手応えに合わせてやりましたが、先週より動きがよかったですね」と２週連続で手綱をとった感触を語った。

　スタンドで調教を見届けた松田国師も「アバラの脂肪がとれてきましたね」とスリムになった馬体に目を細めた。先週に続いて追い切りにジョッキーが騎乗したことや、木曜追いでレースと追い切りの間隔を縮めたのも太めを残さないことが理由だ。「太いときは下見所でダラダラと汗をかいています。今年はそれほど暑くないので調整はしやすい。体調がいいです」と仕上がりの良さを強調した。

　前走の目黒記念は上がり最速の末脚を繰り出して６着。最後方からの競馬になったが、ゲート自体はスムーズでスタートに不安は感じさせなかった。トレーナーは報道陣と視線を合わせながら、レースに向けてのポイントを「スタートと１角まででどのあたりのポジションをとれるかどうか」と語った。一線級が相手だけに後方一気の競馬では難しい。序盤の位置取りが重要になる。枠順は希望していた「内の偶数枠」ではなく１３番。この一報を伝え聞いたトレーナーは一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに「与えられた枠のなかで頑張ってほしい。何とか前めで運べれば」と前を向いて、確かな手応えをにじませていた。