宝塚側はいじめ否定 急死女性の“長の期”業務、過密日程による長時間活動、強い心理的負荷は認める

[ 2023年11月14日 17:05 ]

会見を行う木場理事長(左は井場理事・制作部長、右は村上専務理事) (撮影・成瀬 徹)
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 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は14日、大阪市内で会見し、女性劇団員(25)が9月に転落死した問題で、外部の弁護士らのチームで進めてきた調査結果として、いじめやハラスメントは確認できなかったとした。

 転落死した劇団員の遺族の代理人弁護士が今月10日に都内で会見。「過重な業務や上級生劇団員のパワハラによって心身の健康を損ない、自殺に至った」と訴え、歌劇団と運営する阪急電鉄に謝罪と補償を求めるとしており、対応が注目されていた。

 劇団側は、調査結果では、「強い心理的負荷が故人にかかっていた可能性が否定できない」との指摘を受けたとした。具体的には、亡くなる直前期には、同期5人のうち2人の退団と1人の休演があり、娘役2人のみでの“長の期”の活動を行わなければならなかった上に、新人公演なども控える過密スケジュール。故人の役割や業務の負担が増え、心理的負荷を増大させたことが原因だとした。

 長の期とは、新人公演に出演する入団7年目以下の生徒の最年長の期の名称。その長を「長の期の長」と呼ぶ。「長の期の長」は下級生を指導しとりまとめる立場を担い、故人は長の期の長だった。長の期としての多岐にわたる業務による長時間活動とともに、上級生からの指導が多数重なった事実はあったという。

 遺族側からは上級生から「うそつき野郎」など暴言の数々があったとされたが、これについて劇団側の調査では確認されなかったという。

 女性は9月30日朝、宝塚市の自宅マンション敷地内で倒れて死亡しているのが見つかった。兵庫県警は自殺の可能性が高いとみて捜査。歌劇団の調査チームは、女性が所属した宙組の生徒らにヒアリングなどをし、背後関係を調べていた。

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