吉本新喜劇で花開いた千葉公平 「腐り切っていた」東京時代に終止符を打ったくっきー!の男気とは

[ 2023年10月25日 05:00 ]

吉本新喜劇への思いを語った千葉公平
Photo By スポニチ

 吉本新喜劇で活躍するお笑いタレントの千葉公平(48)がこのほど、東京・新宿区の吉本興業東京本部で取材会を行った。

 千葉は以前は金成公信という名前で「ハローバイバイ」「ギンナナ」でコンビ活動をしていた。2020年からは名前を千葉公平と改め、大阪の吉本新喜劇に活躍の場を移した。今年の新喜劇総選挙では2位に入るなど、座員になってから目覚ましい活躍を見せている。

 躍進のきっかけをつくったのはある人物からの助言だった。「東京時代は腐り切っていた」と千葉は語る。「いろいろチャンスはあったけど、モノにできず。コンビ解散とかも2回してここからどうするんだろうなという状態」だった2019年暮れに転機が訪れた。ある日、喫煙所でしゃべっていた「野性爆弾」のくっきー!(47)から古民家に住んで盆栽配信をすること提案された。そこで安い古民家が多くあることもあり、大阪に移住することを勧められた。ちょうど、大阪に拠点を移すことを真剣に考えており「全く違う角度から背中を押された」と芸人仲間に初めて新天地への思いを打ち明けた。

 それが新喜劇のことだと察したくっきー!は即座に関係各所に連絡。踏ん切りのつかない千葉に対しては「そんなもん思い立ったらすぐ動け!」と背中を押した。すぐに当時座長を務めていた小籔千豊(50)と連絡がつき、新喜劇加入の道が開けた。その後は着実にキャリアを積み、わずか数年で総選挙2位の地位まで駆け上がった。

 大阪での過酷な暮らしも千葉を成長させた。大阪移住後はリノベーションを条件に西成区のボロボロのアパートに無料で住むことに。「でかいムカデも出るし、でかいクモ、ゴキブリを捕食するアシダカグモですね。朝起きたらダンゴムシがいたこともありました」と語る厳しい環境に身を置いた。「むちゃくちゃ強くなりました。何とかなるだろうという感じにはなりました」と苛烈な住環境で心身を鍛えた。

 現在は数少ない標準語をしゃべる座員として舞台に上がる。「まだ細い道ですけれども」と本人は口にするが、千葉は東京から大阪へ“逆輸入”芸人としての地位を確立しつつある。大阪では「丁寧すぎるくらいに振って、ちゃんとウケる」方法も学んだ。「東京の芸人にも体感してほしい」と自身が切り開いた道に後輩が続くことも願っている。

 「新喜劇は続けていきたい。関東人がどこまで新喜劇にいられるか。年を重ねた時に関東弁のじじいをやれたらいいな」と夢を語る。標準語を操る千葉が新喜劇に新風を吹き込んでいく。

続きを表示

この記事のフォト

2023年10月25日のニュース