廣津留すみれさん 神宮外苑再開発、伐採→植樹に「自然は数字じゃない…1回切り倒してしまうと」

[ 2023年6月30日 10:06 ]

廣津留すみれさん公式インスタグラム (@sumire_vln)から

 ハーバード大と、世界最高峰の音楽大学の1つのジュリアード音楽院を卒業したバイオリニストの廣津留(ひろつる)すみれさん(29)が30日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。国立競技場などのスポーツ施設が集まる東京・明治神宮外苑で計画されている再開発事業について言及した。

 再開発を巡り、周辺住民ら約60人が東京都に事業の施行認可の取り消しなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、東京地裁であり、原告で米国人コンサルタントのロッシェル・カップさん(59)は「都は再開発を強引に進めてきた。大きな疑問と怒りを覚える」と意見陳述した。都側は訴えを退けるよう求めた。再開発を巡っては音楽家の坂本龍一さんが3月の死去直前に東京都の小池百合子知事に事業見直しを求める手紙を送るなど、多くの著名人も反対を表明。事業者側は理解を得るための住民説明会を開く意向を示している。

 再開発計画では、老朽化した神宮球場や秩父宮ラグビー場を解体して場所を入れ替え、商業施設の入る2棟の高層ビルを建設。2036年の完成を見込み、都が今年2月に施行を認可した。訴状によると、事業者が都の審議会に提出した環境影響評価(アセスメント)書は、伐採する樹木の数を、低木を含めずに申請するなど不十分な内容だと主張。認可の前提事実に誤認があり、裁量の逸脱だとしている。

 廣津留さんは、「施設は老朽化もあるでしょうし、いずれは古くなるということで建て替えはしようがないところはあるのかなと思いますけれども」としつつ、「私が違和感があるなと思ったのは、伐採をしても植樹をすることで本数は増えますよとしているところ」と指摘。「自然は数字じゃないじゃないですか。(743本伐採、837本植樹で)94本増えるいいでしょという言い訳に聞こえてしまう。1回木を切り倒してしまうと、その生態系も1回リセットというか破壊されてしまうのは間違いないので、サスティナビリティ(持続可能性)が叫ばれている中で逆行しているように感じてしまって仕方がないなと思います」と自身の考えを話した。

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2023年6月30日のニュース