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力石政法 兄弟同時世界王者ならず「僕だけ勝てなくて…申し訳ない」去就は「控えたい」明言避ける

[ 2025年5月28日 21:19 ]

プロボクシング IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦   同級1位 エドアルド・ヌニェス(メキシコ)<12回戦>同級3位 力石政法(大橋) ( 2025年5月28日    横浜BUNTAI )

<IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦 ヌニエス・力石>合に敗れて肩を落とす力石 (撮影・白鳥 佳樹) 
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 IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で同級3位の力石政法(30=大橋)は同級1位エドアルド・ヌニェス(27=メキシコ)に0―3の判定で敗れ、プロ18戦目での世界王座獲得を逃した。IBF世界フライ級王者・矢吹正道(32=LUSH緑)との兄弟同時世界王者はお預けとなった。

 “怪物”を相手に果敢に打ち合った。序盤パワーに勝り、前に出てくる相手に力石は足を使って距離を取って冷静に対応。4回から近距離でパンチを受ける場面が増えたが、5回に反撃。続く6回も激しい打ち合いを演じ、会場を沸かせた。

 相手のギヤが上がったのが7回。ロープに追い詰められ相手の力強いパンチを打ち込まれる場面が増えた。
 
 10回開始とともに一気に出てきたヌニェスに対し、力石は足を止めて打ち合い、何とか押し返した。12回には左を当てて相手の動きを一瞬止めたが、決定打とはならなかった。最後はヌニェスが勝利を確信するガッツポーズ。力石は肩を落とした。

 試合後の会見で顔を腫らした力石は「思うような動きと結果ではなかったんですけど何かスッキリしてます」

 「本当に強い選手なので打ち合ったら絶対に悪い展開になると思って足を使う作戦、ずっとフットワーク使って距離を取ってという作戦だったんですけど、4回ぐらいから足の動きが極端に重くなり出して、これは12回もたないと思ったんで、ガードで攻撃を受けて疲れさせて、その隙を狙って一発で倒すっていう作戦に変えたんですけど、ヌニェス選手が凄くうまく一発も当てさせてくれなくて、12回までコテンパンにされたなって感じです」と試合を振り返った。

 去就については「やれることはやったんで今後についてはちょっと控えたいと思います」と明言を避けた

 「力石」は「矢吹」に続くことができなかった。リングネームは「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈にちなんだ兄に倣い、ライバルの力石徹から取ったものだ。兄弟同時世界王者はならず「兄は世界チャンピオンに死に物狂いでなって、僕は負けちゃって。兄は3回もなってますし、僕だけ勝てなくて足を引っ張って申し訳ないです」と肩を落とした。

 ◇力石 政法(りきいし・まさのり)本名・佐藤政法。1994年(平6)6月10日生まれ、三重県鈴鹿市出身の30歳。幼少期からボクシングを始め、18歳で兄・矢吹正道と上京も2年間少年院に入っていた。その後は本格的に打ち込み、17年7月にプロデビュー。22年5月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座、23年1月にWBOアジア・パシフィック同級王座を獲得。昨年7月にLUSH緑ジムから大橋ジムに移籍。身長1メートル77の左ボクサーファイター。

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