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井上尚弥 予想以上にディフェンス巧者だったタパレスの心を砕いた10回「ビックリ」右ストレート

[ 2023年12月26日 21:19 ]

WBC&WBO&WBA&IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦 ( 2023年12月26日    有明アリーナ )

<世界スーパーバンタム級4団体王者統一戦 井上尚弥・マーロン・タパレス>10R、フィニッシュブローとなった右を叩き込む井上(撮影・長久保 豊)
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 世界最速でモンスターが新たな伝説となった。WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)がWBA&IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)を10回1分2秒、KOで下し、史上2人目で最速の5年7カ月で2階級4団体王座統一を成し遂げた。この勝利で日本人最多タイの世界戦21勝目となり、世界ベルトは10個目の獲得となった。

 予想以上にうまかったタパレス。予想を超えるディフェンス巧者だった2団体統一王者。しかし、やはり最後はモンスターの右ストレートがタパレスの心をも打ち砕いた。

 「非常にタフで気持ちの強い選手でした。自分が戦前予想していた通りの選手でした。またそんな選手に10ラウンドKOで勝つことができて、本当に自分がやってきたことが証明されて、ホッとしています。ポイント的にリードしているなというのは感覚的につかんでいたが、非常にポーカーフェースできいている様子とかを耐えていたので、正直、10ラウンド崩れ落ちた時はビックリしましたけど」

 激闘を終えた井上の口からも「ビックリ」という言葉が飛び出したフィニッシュブロー。有明アリーナの大観衆からも驚きに似た「お~っ!」という声が響き渡った。

 「自分もいいパンチを蓄積させていたので、相当ダメージはあったのかなと思います。自分も非常にピリピリしながら試合を進められた。来年5月に噂されている試合というものが実現するかどうかはこれから交渉を詰めていくところですが、皆さんファンが喜ぶような試合、見たいという試合を実現していきたいと思いますので、どんどん声を上げていただけたらと思います」

 笑顔で観衆にガッツポーズを見せた後には、リング上で大橋会長に「ちょっと危なかったですね」と笑顔で振り返った井上。しかし、そんな手強い相手をKOで退けた“モンスター”の時代は、まだまだ揺るぐことはない。

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