尚弥 フルトンへ“カウンター”!シャドー30秒で公開練習打ち切り「過去一気合入っている」
WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 統一王者 スティーブン・フルトン《12回戦》WBC1位&WBO1位 井上尚弥 ( 2023年7月25日 有明アリーナ )

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前4団体統一世界バンタム級王者・井上尚弥が15日、WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトンに挑む世界戦に向けて横浜市内のジムで公開練習を行った。前日14日に約40秒だった王者に対抗するように、シャドーボクシングの披露時間はわずか30秒。練習そのものも、約3分で切り上げるなど、決戦10日前に早くもゴングが鳴った。
誰よりも驚いていたのは本人だった。3分間、縄跳びを行ってから、シャドーボクシングを始めた井上。すると、30秒経過したところで大橋秀行会長(58)から「ストップ!」の合図が飛んだ。
練習全体こそ約2分半だったフルトンより1分長いが、仕上がり具合を見極める肝心のシャドーボクシングは王者より約10秒も短い30秒。「昨日が40秒だったから今日は30秒。もう試合は始まっているので」と大橋会長。視察する王者陣営を閉め出してから、井上に本格的な練習を命じるなど早くも両陣営が火花を散らした。
異例とも言える連日の超短時間公開練習。報道陣とともに、驚いた表情を浮かべた井上だったが、練習前の取材では「かなり順調に仕上がっている。体重(上限)が1・8キロプラスしたこともあり、それがプラスに働いている。マイナス面は一つもない」とスーパーバンタム級転級初戦に不安がないことを強調した。
5年2カ月ぶりとなる挑戦者の立場。その思いを込めて今回のチームTシャツは挑戦者を意味する青を選択した。これまで世界王座に3度挑戦してきたが「その時以上の気持ち。自分の中で過去一、気合が入っている」と心身ともに過去最強を証明する覚悟だ。
「賢く戦う」ことをポイントに挙げたフルトン同様、井上も「頭脳戦になると思う。当日、一瞬のミスをした方がペースを持っていかれる」と予想する。その上で、「(パンチが)当たれば試合が終わるという自信を持って練習してきた。(当たれば)間違いなく終わると言える」とKO決着への自信を口にした。