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ヨネクラジム最後の世界王者 川島郭志氏「自分も必ず世界王者を…」

[ 2023年4月22日 20:05 ]

米倉さんとの思い出を語る川島氏
Photo By スポニチ

 プロボクシングで元ヨネクラジム会長の米倉健司さん(本名健治、享年88)の訃報を受け、同ジム最後の世界王者となった元WBC世界スーパーフライ級王者の川島郭志・川島ジム会長(53)が22日、取材に応じ「つらいことから楽しい思い出まで、いろいろなことを思い出します。厳しさの中にも優しさのある方でした」と悼んだ。

 数日前に川島ジム所属選手に、米倉さんの話をしていたという川島氏は「虫の知らせというんでしょうか…ショックの一言です」と悲痛な思いを口にした。

 川島氏が徳島県海南高3年時、北海道で行われたインターハイで、視察に訪れた米倉さんと初対面。「おまえは絶対世界チャンピオンになる、と声をかけていただいたことが印象的だった」と振り返る。翌年の88年から米倉さんの世田谷区の実家に下宿し、プロ生活をスタートさせた。

 朝は6時に起床し、早朝ランニングから一日がスタート。その後、自宅前で行うミット打ちまで米倉さんはつきっきりで指導をした。「朝から見られていてきついと思うことはあったけど、常に気にかけていただいた。感謝しています」と川島氏。米倉さんの愛車ベンツの洗車をして、“アルバイト代”をもらったことも明かし「面白いエピソードだけでも本を出せるくらいある」と振り返る。上京直後、東京になじめなかったと川島氏を生活面でもサポートした米倉さんへ感謝の思いは尽きない。

 川島氏は88年8月から3戦連続KO勝ちで華々しいデビューを飾るも、6戦目の89年A級トーナメントフライ級予選では1回KO負け。それでも米倉さんからは「おまえはうさぎと亀に出てくる亀だ。10年頑張れば結果は出る。まだ大丈夫だ」と声をかけられた。その言葉を励みに、94年5月WBC世界ジュニアバンタム級(現スーパーフライ級)王座を獲得。6度の防衛に成功し結果で応えた。

 引退後は00年から都内で川島ジムの会長を務める。オープン時、ジムに激励に訪れた米倉さんからは「川島のような選手をつくれ」と言葉をかけられた。数年前までジム門下生には早朝ランニングを義務づけるなど“米倉イズム”を継承してきた川島氏。「会長がいなければ自分は世界チャンピオンになれていなかった。会長の教えを進化させながら、自分も必ず世界王者を育成できるように頑張りますので、天国から見ていてください」と師匠へ恩返しを誓っていた。

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