那須川天心が米国合宿から帰国 元世界王者らと35ラウンドのスパー「みんなビックリすると思う」

Photo By スポニチ
4月8日に東京・有明アリーナでプロボクシングデビューを控える“神童”那須川天心(24=帝拳)が12日、約2週間の米ラスベガス合宿を終えて羽田空港に帰国した。現地では週3回スパーリングを行い、1週目は4、6、7ラウンド、2週目は6ラウンドずつ3回の計35ラウンドを消化。プロボクシング転向後、これまで最長のスパーは4ラウンドだったそうで「初めて6ラウンドをやったけど“こういう感じか”という感覚をうまくつかんだ感じはする」と手応えを口にし、「(ボクシングでの)間合いの取り方が分かってきた。試合を見たら、みんな“あれ、こんなに変わってるんだ”“こんな動きしていたっけ?”とビックリすると思う」とボクシング仕様のスタイル披露を約束した。
スパーリングでは元WBO世界スーパーバンタム級王者アンジェロ・レオ(28=米国)や2~300戦のアマチュア戦歴を持つ選手が相手となった。レオは5月7日に井上尚弥(29=大橋)の挑戦を受けるWBC&WBO統一世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(28=米国)に21年1月に敗れた以外は全勝(21勝9KO1敗)の実力者。「凄くいい人で、もちろん強かった。いきなりぶっつけ本番みたいなレベルで、これでいいのかと戸惑いもあったが、体調が良い時も良くない時もある中で毎日スパーできて有意義な時間だった」と振り返った。レオのトレーナーからは「普通のボクサーにはない間合いやタイミングがあるから、それを伸ばしていけばいいと思うよ」と褒めてもらったという。
現地では総合格闘技「UFC」も観戦。格闘技界では名前を知られているだけに現地メディアに写真を撮影されたり、ホテルスタッフや飲食店で「お前、知ってるぞ。ボクサーだろ」と声をかけられて驚いたという。満員になったラスベガスの会場で自身が試合をするイメージをしながら観戦したそうで、「もし俺が出るんだったらみたいな。インタビューは英語でやるしかないよな、コスチュームはアニメだな、とか考えたりしていた。いい休日だった」と明かした。練習以外で出かけたのはキャップを購入するなど買い物ぐらいだったそうで、「あっという間。練習とUFCぐらいで。いい合宿でした」と総括した。
デビュー戦では日本バンタム級4位の与那覇勇気(32=真正)と6回戦を戦う。減量は「あと1カ月を切ったが、この良い感覚で試合に挑もうと思う。スピードはどの選手よりもあると思うが、それに頼るのではなく、スピードを使わないテクニックや、MAXでキックのペースでやったら絶対無理なので、6ラウンドにしっかり適応できるように。ここから気を抜かずに、みんなの前で見せられるように準備したい」と抱負を述べた。