西武・山川 FA権行使か 他球団の評価聞きたい思い…争奪戦発展も 14日申請期限最終日

[ 2023年11月14日 05:00 ]

西武・山川
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 西武の山川穂高内野手(31)が、今オフに取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性が高いことが13日、分かった。決断すれば申請期限最終日となる、14日に申請書類を提出する。今季は女性問題による不祥事で17試合の出場にとどまった通算218本塁打の大砲。他球団の評価を聞きたい思いが強まっており、行使すれば複数球団による争奪戦が予想される。

 熟考に熟考を重ね、山川がFA申請期限最終日に決断を下すことになった。不祥事に揺れ動いた1年。FA権行使には「家族の意見も含めて、しっかりと考えていかなければいけない」と話していたが、節目の10年目を終え、他球団の評価を聞いた上で新天地でのプレーを選択する可能性が出てきた。

 今季は5月に知人女性への性的暴行問題が発覚。9月に球団から1、2軍公式戦の無期限出場停止処分を受けた。17試合の出場で8年ぶり2度目の本塁打なしでシーズンを終えた。世間からは厳しい声が飛び、10月5日には自らの希望で謝罪会見。けじめの場とし「全ての意見を真摯(しんし)に受け止めてやっていく」と現実と向き合った。引退の2文字もよぎったが「僕には野球しかない。やっぱり野球で取り返すしかない」と踏みとどまり、支えてくれた人たちにバットで恩返しすることを誓った。だが、ファンに夢と希望を届けるプロ野球選手が、醜聞でファンの期待を大きく裏切ったことは事実。故障者特例で取得したFA権を行使すれば、再び厳しい意見と向き合うことにもなる。

 1、2軍戦の出場停止処分のまま、10月のフェニックス・リーグで約5カ月ぶりに実戦復帰。同15日のオリックス戦で本塁打を放つなど、若手に交じって9試合に出場し、打率・375、2本塁打、6打点をマークし「充実していたし、野球をまたやれたので良かった。そこそこ打てたかな」と話していた。

 西武は既に来季の契約条件を提示済み。宣言残留を認める方針だが、単年契約で大幅減俸となる見通しだ。一方で、複数球団が獲得調査中。権利行使なら交渉が解禁となる16日以降、本格的な争奪戦がスタートする。

 18、19年に2年連続本塁打王に輝き、西武のリーグ連覇に貢献。昨季は41本塁打、90打点で自身初の打点王を獲得して2冠王に輝いた。3月のWBCでも世界一に貢献した球界屈指の長距離砲が、14日に大きな結論を出す。

 ▽山川の問題経緯 5月11日に文春オンラインが知人女性への性的暴行で被害届が出ていると報道。同日のロッテ戦にフル出場も翌12日に「総合的に判断してコンディション調整」で出場選手登録を抹消された。同23日に警視庁麻布署が強制性交容疑で書類送検も、8月29日に東京地検が嫌疑不十分により不起訴処分を決定。9月4日に球団が1、2軍公式戦無期限出場停止の処分を発表。10月5日に謝罪会見し、宮崎でのフェニックス・リーグで実戦復帰した。

 ◇山川 穂高(やまかわ・ほたか)1991年(平3)11月23日生まれ、沖縄県出身の31歳。中部商から富士大に進み、2、3年時に大学日本代表。13年ドラフト2位で西武入団。18、19年に2年連続本塁打王、22年は本塁打王と打点王の2冠に輝いた。今年3月のWBCでは侍ジャパン入りし世界一に貢献した。1メートル76、103キロ。右投げ右打ち。

 ≪松井監督「僕の口からは何も言えないです」≫西武・松井監督が、埼玉県所沢市内の球団施設で行われている秋季キャンプに合流。山川について「本人が何も言っていないので、僕の口からは何も言えないです」と話すにとどめた。10月のフェニックス・リーグで話し合った際は「残ったら大きな力になるけど本人の権利なので」と本人の意思を尊重する意向を示していた。

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