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なでしこ清家 五輪メンバー初選出!金メダル&得点王W獲りへ「人生の中でもいいコンディション」

[ 2024年6月15日 05:00 ]

パリ五輪メンバーに選ばれた清家は目標を書き込んだ日の丸を手に笑顔(撮影・村上 大輔)
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 日本サッカー協会は14日、パリ五輪に臨む女子日本代表「なでしこジャパン」のメンバー18人を発表した。今季WEリーグでMVP&得点王を獲得したMF清家貴子(きこ、27=三菱重工浦和)ら10人が初選出。都内で会見に臨んだ清家は「金メダル」を宣言。昨年の女子W杯後から磨きをかけた決定力を武器に、日本女子初となる得点王も視野に入れた。

 運命の瞬間は電車内で迎えた。午後1時過ぎ。表敬先の企業に向かう途中にメンバー発表会見がスタート。清家はYouTube配信で、一人ずつ名前を読み上げる池田監督の声を静かに聞いた。「うれしかったですね。でも1人だったのでグッと押し殺して…」。到着後に関係者の祝福を受け、ようやく実感が込み上げてきた。

 3時間後の会見では「金メダルを獲りたい」と堂々と宣言した。その先には日本女子初の得点王を視野に入れる。「自分が出場した試合では得点を目指したい。それを達成できたら、おのずと得点王も見えてくると思う」。主戦場の2列目に加え、ウイングバックを務める可能性もあるが、ゴールへの貪欲な姿勢は変わらない。

 脳裏には1年前の屈辱がある。昨年の女子W杯は3試合無得点に終わった。日本が8強入りする快進撃を見せた一方、初の国際舞台で「自分の力のなさを強く感じた」という。武器はスピードとドリブル突破。今季はさらに決定力に磨きをかけ、10試合連続ゴールを含む20得点を記録。MVPと得点王を受賞し、WEリーグの顔へと進化を遂げた。既に来季は海外移籍を表明しているが、「WEリーグの代表」として再び世界に挑む。

 両膝の前十字じん帯を断裂する大ケガを3度も乗り越えてきた。3度目は20年冬。リハビリ中に開催された東京五輪は「悔しさが少なからずあったので、試合はあまり見てなかった」と打ち明ける。「今は自分のサッカー人生の中でも、いいコンディションで続けられている。そこがまずうれしい」。不屈の努力と精神力でたどり着いたピッチを、思う存分に駆け回る。

 ◇清家 貴子(せいけ・きこ)1996年(平8)8月8日生まれ、東京都西東京市出身の27歳。筑波大卒。中学から浦和レッズレディースの下部組織で育ち、15年にトップ昇格した。19年12月の台湾戦でなでしこジャパン初出場初得点。国際Aマッチ21試合7得点。1メートル66、62キロ。利き足は右。

 ≪池田監督 主将は熊谷に≫池田監督はパリ五輪での目標を「金メダルを目指していきたい」と掲げた。選手選考の最終決定は2日前だったと明かし、試合は中2日で続くため「ポリバレント性も考え、(過密日程に)対応できるという判断で、こういったメンバー構成になった」と説明。主将には、これまでも務めてきたDF熊谷を任命し「またチームをまとめてもらう。彼女の経験というものがこのチームの大きな財産」と信頼を寄せた。

▼パリ五輪メンバー
 【GK】
 山下杏也加(INAC神戸)
 平尾知佳(新潟)
 
 【DF】
 熊谷紗希(ローマ)
 清水梨紗(ウェストハム)
 北川ひかる(INAC神戸)
 南萌華(ローマ)
 高橋はな(三菱重工浦和)
 古賀塔子(フェイエノールト)

 【MF】
 清家貴子(三菱重工浦和)
 長谷川唯(マンチェスターC)
 林穂之香(ウェストハム)
 長野風花(リバプール)
 宮沢ひなた(マンチェスターU)
 藤野あおば(日テレ東京V)
 谷川萌々子(ローゼンゴード)
 
 【FW】
 田中美南(INAC神戸)
 植木理子(ウェストハム)
 浜野まいか(チェルシー)

 ▼バックアップメンバー
 【GK】
 大場朱羽(ミシシッピ大)
 【DF】
 石川璃音(三菱重工浦和)
 守屋都弥(INAC神戸)
 【FW】
 千葉玲海菜(フランクフルト)

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