【安田記念】エコロヴァルツ“乙女心”の成長期!山田隆彦助手「女の子みたいに繊細で怖がりな部分がある」

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春のG1シリーズ水曜企画は「G1追Q!探Q!」。担当記者が出走馬の陣営に「聞きたかった」質問をぶつけて本音に迫る。「第75回安田記念」は大阪本社の田村達人(32)が担当。大阪杯4着エコロヴァルツを手がける山田隆彦助手(41)に「充実期」「教育方針」「追い切り」の3テーマで聞いた。
昨年の牡馬3冠を皐月賞7着、ダービー8着、菊花賞9着で皆勤したエコロヴァルツは近3走の安定感が光る。3走前ディセンバーSは3番手から横綱相撲で後続をねじ伏せた。前々走の中山記念も同様のレース運び。最後はシックスペンスの末脚に屈して鼻差2着も勝ち馬と同タイムのコースレコードで走り切った。昨年マイルCS覇者で次戦のドバイターフを制したG12勝ソウルラッシュ(3着)に先着している。
前走の大阪杯は10番人気と伏兵扱い。それでも山田助手は「今の充実ぶりなら絶対に人気より上位に来ると思いました。勝ち負けは別としても、いい勝負ができる」と自信を持って送り出した。中団から差して4着と人気以上の健闘。勝負どころで不運の落鉄がありながら勝ち馬ベラジオオペラと0秒3差。力を示した。「競馬なので仕方ないけど、あの落鉄がなければと悔やまれる。それでも直線は狭いところを割って差を詰めましたから。厳しい展開の中でよく頑張ってくれたと思います」と悲観していない。
これまで山田助手が担当した馬は牝馬の割合が大半を占める。牡馬と牝馬の大きな違いは気性。前者は多少、厳しくても、しっかり教育しながら信頼関係を築き上げていくもの。対して後者は繊細でやり過ぎてしまうと逆効果。メンタルが崩れ、立て直すのに時間がかかる。牝馬は機嫌を損ねないよう、お嬢さまのように接するのが基本なのだ。
今までの経験が牡馬のエコロヴァルツの教育にも役立っている。「基本は悪さをしないので手はかからないけど女の子のように繊細で怖がりな部分があって、たまに注意をするとそっぽを向いたりする。だから、あまり怒り過ぎないように心がけています」。競走馬は壊すのは簡単だが、つくるのは大変。2~3歳時は気性難で知られ、そのもろさが実戦に影響することもあったが近走は以前と見違えるほど安定感のあるレース運び。山田助手の柔らかい教育方針。日々の積み重ねが今につながっている。
ここ2走と同じく1週前追いはM・デムーロが騎乗し、CWコースで負荷をかけた。前々走の中山記念が6F82秒5~1F11秒7、前走の大阪杯が6F84秒7~1F11秒7に対し、今回は6F80秒4と全体時計を大幅に短縮。ラスト1Fは自己ベストの11秒1を刻んだ。春3戦目で気配は上向き。「元気いっぱいで、あれだけ動けているのは調子がいい証拠」と順調ぶりを伝えつつ「デビューからあまり馬体重は変わっていないけど、カイバをしっかり食べて調教を積んだ上での数字。3歳の頃と比べると体に張りが出たし、全体的にしっかりしてきた」と手応えをつかんでいる。
これまで牧浦厩舎は地方を含む重賞10勝のうちM・デムーロとのタッグで最多4勝。今年はシランケドで3月中山牝馬Sを制し、先月18日のヴィクトリアマイルは7番人気で3着に入った。好相性タッグが波乱を演じるか。下馬評を覆す準備は整っている。
◇山田 隆彦(やまだ・たかひこ)1983年(昭58)8月10日生まれ、広島県広島市出身の41歳。学生時代に競馬ゲーム「ウイニングポスト」にハマったことがきっかけでこの業界に興味が湧いた。好きな馬はメジロドーベル。約10年の牧場経験を経て、栗東入り。エコロヴァルツ以外の担当馬はパルティクラール、イーブンベター。
【取材後記】
山田助手は83年生まれ、広島市出身の41歳。サッカーに没頭していた中学時代に偶然、書店で見つけた競馬の雑誌で今の仕事を知ると高校卒業後は滋賀県の甲賀ファーム、グリーンウッドなどで経験を積み、29歳でトレセンに入った。
牧浦厩舎ひと筋、10年以上。23年朝日杯FS(2着)は人馬にとってG1初舞台だった。「競馬を見始めた頃から活躍されているユタカさん(武豊)と大舞台に挑めることに興奮しました。自分の担当馬に騎乗してくださることが初めてでしたから(23年8月コスモス賞Vは自身がケガで療養中)。レース後は“この先が楽しみ”とありがたい言葉をくださった。それが励みになっています」と振り返る。
普段は黙々と作業をこなす職人のような姿が印象的で「自分はこの世界に入ってから、G1を含めて重賞を勝ったことがないので」と常に謙虚。年下である記者に対しても分かりやすい言葉で丁寧に受け答えをしてくれる。取材を通して、応援したい気持ちが強くなった。 (田村 達人)
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