【スポニチ・ケイリン・クラブ ケイリン記者コラム岡田光広】池野健太、上杉嘉槻がS級初優勝

[ 2024年9月3日 04:30 ]

名古屋のスポニチ杯を制した池野健太
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 猛暑日の連続記録更新など、とにかく暑かった今年の8月。中部管内のF1戦では近畿勢によるS級初Vラッシュが続いた。まずは18日、名古屋のスポーツニッポン杯の池野健太(32=兵庫・109期)だ。初の特選スタートながら積極的な走りで初日から1着を量産。疲れを感じながらもリズム最高潮で臨んだ決勝戦は、6番手からのロング捲りで前団をひとのみ。念願だったS級初優勝は、通算200勝のおまけ付き。一生もののメモリアルVとなった。

 「デビューして8年、長くて苦しかった。自分は真面目だけが取りえで、手が届かないと思っていた。師匠の目の前で優勝できて本当にうれしい。忘れられない優勝になりました」

 もちろん検車場に帰還した池野を真っ先に出迎えたのは師匠の沢田義和。「もう、絶対に泣くと思ってましたよ」という池野は、感極まって号泣。涙を拭き取ってからファンが待つ表彰ステージへと向かったことを、舞台裏で明かした。

 池野は中3日で開催された松阪F1戦にも師匠の沢田とともに参戦。ただ連戦の疲れもあり、準決勝で無念の敗退。代わりに輝きを放ったのは上杉嘉槻(26=福井・119期)だ。連日の先行勝負で沢田や藤田勝也の勝ち上がりに貢献。自身も2、1着で通算4回目のS級決勝戦進出を果たした。

 決勝は真鍋顕汰を先頭に結束した中部勢との2分戦に。赤板で真鍋に突っ張られて5番手に下げた上杉だったが、単騎の池田良を挟んで駆けた中部ラインは明らかにオーバーペース。落ち着いて“その時”を待った上杉は、最終2コーナーで再度スパート。後続のもつれを尻目にハロン11秒2でゴールまで駆け抜けた。まさに無欲の勝利だった。

 自力選手が元気な地区は記念、G1戦線でもリードをとっている。この2人の活躍も、きっと近畿軍団の活性化につながるはずだ。

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