池添、富田がケンカで騎乗停止　函館で飲酒後に調整ルームで口論からもみ合いに

池添謙一（左）と富田暁
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　JRAは28日、池添謙一（44）を29日から7月7日までの開催4日間、富田暁（27＝木原）を29、30日の開催2日間の騎乗停止処分にしたと発表した。函館競馬場の調整ルームで互いに粗暴な行為に及んだ事実が確認されたため。27日に発表されていた両騎手の今週末の騎乗予定馬は全て乗り替わりとなる。

　26日に厩舎関係者から情報提供があり、両騎手と事情を知る関係者に対して事情聴取を行い詳細な事実が判明。それによると、24日夜に函館市内の飲食店で複数の騎手で飲食中、互いに酒に酔った状態で池添が富田に対し高圧的な態度で絡むなどの行為に及んだ。

　それに耐えかねた富田が近くにあったスマートフォンをテーブルに叩きつけたところ画面が割れたが、その携帯は池添のものだった。その後、池添と富田は口論になったが、同席していた別の騎手が2人を引き離し池添は先に調整ルームに戻った。

　それでも怒りが収まらなかった池添は、飲食中の富田に対し電話で調整ルームに戻るよう強要。池添が富田を1階ロビーで待ち構え、双方が口論からもみ合いとなる粗暴行為に及んだという。JRAによると総合的に判断して池添の方がより非が大きいと認められたため、処分が重くなったという。

　両騎手は既に和解しており、池添は騎乗停止を受けて自身のX（旧ツイッター）を更新。「この度は皆さんの信頼を失う行動をとってしまい申し訳ありませんでした。JRA、競馬関係者の方、そして応援していただいてるファンの方にもご迷惑をかけ、失望させてしまいました。富田とは2人で話をし、お互い謝罪をしております。失った信頼を取り戻せるようまた一つ一つ頑張りたいと思います」とした。

　◇池添　謙一（いけぞえ・けんいち）1979年（昭54）7月23日生まれ、滋賀県出身の44歳。98年3月に栗東・鶴留明雄厩舎所属で騎手デビュー、同年北九州記念（トウショウオリオン）で重賞初騎乗V。11年にオルフェーヴルでクラシック3冠制覇。父・兼雄氏は元調教師、弟・学氏は現役調教師。JRA通算1万4843戦1381勝、うちG1・27勝を含む重賞97勝。1メートル62、50キロ。血液型O。

　◇富田　暁（とみた・あかつき）1996年（平8）12月11日生まれ、茨城県出身の27歳。栗東・木原一良厩舎所属、17年3月にデビュー。19年8月にオーストラリアに渡り、翌年4月まで武者修行に出た。JRA通算3766戦190勝、うち重賞は昨年セントウルS（テイエムスパーダ）の1勝。1メートル66、51キロ。血液型AB。

　《過去の騎手同士のトラブル》騎手同士のトラブルとして処分が重かったのは99年、後藤元騎手（故人）が美浦トレセン内の寮で吉田豊を木刀で殴打した事件。4カ月の騎乗停止処分が科された。最近では21年4月24日の阪神6Rの馬場入場後、岩田康が返し馬の際に藤懸に対して馬で幅寄せし、藤懸がラチとの間に挟まれそうになったことについて、その際、粗暴な発言も行ったため開催4日間の騎乗停止処分が科された。