【KEIRIN EVOLUTION】雨谷“世界の脚”魅せる

[ 2014年9月12日 05:30 ]

ガッツポーズを決めるKEIRIN EVOLUTION出走選手(左から)金成和幸、好永晃、郡司浩平、雨谷一樹、黒田淳、明田春喜、大薗宏

 国際ルールに準拠したレース「KEIRIN EVOLUTION」が12日、G1オールスターが開催されている前橋ドームの7Rで行われる。ケイリン(KEIRIN)は競輪を基に生まれた世界のスポーツ。オリンピック正式種目にも採用されているルールでの一発勝負。今年1月に初めて行われたいわき平では井上昌己(35=長崎・86期)が逃げ切ったが、果たして今回はどうなるか。メンバー中で唯一、ナショナルチームに所属する雨谷一樹(24=栃木・96期)のスピードに注目だ。

 雨谷にはナショナルチームで世界を目指して戦ってきた意地とプライドがある。「種目はスプリントとチームスプリントが中心。正直、ケイリンの経験はそれほどない」と話すものの「どんな感じのレースになるかなど分かっていることも多い」と手応えを明かす。

 ロンドン五輪後に競輪に専念するため、1度はナショナルチームを離れたが今年5月に復帰。再び、自転車競技と競輪を両立させる過酷な戦いへと戻ってきた。競輪選手としての実績はまだまだの雨谷だが、自転車競技では世界に通用するスピードがある。毎年、今回と同じ舞台の前橋ドームで開催される関東地区選では目覚ましい活躍ぶり。「昨年はスプリント決勝で2着になったが、それまではほとんど勝っている」と話すように、S級トップレベルの選手を相手にスピードの違いを見せつけてきた。

 自転車競技の名門、作新学院高(栃木県)出身。高校時代は今回のオールスターでも主役を務める深谷知広のよきライバルとして、しのぎを削ってきた。08年アジア世界選手権のジュニア部門では深谷らと組んだチームスプリントで金メダルを獲得。潜在能力は深谷にも引けを取らない好素材だ。

 16年にはリオ、さらにその先には東京五輪が控える。リオ五輪の自転車競技の出場枠をめぐるポイント獲得争いは既に今月の11日からスタート。各国選手権やクラス1~3の自転車競技大会(コンチネンタルゲーム)、そしてアジア選手権でポイントを積み重ねてW杯へ。W杯で好成績を収めれば、世界選手権への出場がかなう。さらにその先に五輪が待つ。雨谷が「小さい頃からの夢」という五輪出場をかなえるために、今回のレースは名前を売る絶好の機会と言える。「3着以内に入る自信?もちろんあります」。自慢のダッシュ力で目指すは“金メダル”だ。

 ▼JKA・渡邉実審議役 日本から輸出した「競輪」が世界で進化した形がケイリンエボリューション。五輪で世界標準のケイリンを見て、関心を持っていただいた若い方に、国内ではケイリンエボリューションを「見て」楽しんでもらい、さらに車券を「買って」観戦するワクワク感も楽しんでいただきたいですね。(車券を購入できない)小中高生ら若い世代には、今回をきっかけに自転車競技に憧れを持ってもらい、将来の金メダリストを目指してもらえたらうれしいです。

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2014年9月12日のニュース