【レパードS】幸が雪辱!タルマエ、当たり前重賞初V

[ 2012年8月6日 06:00 ]

【レパードS】ゴール前での競り合いを制したホッコータルマエ(右)

 3歳ダート重賞「レパードS」が新潟競馬場で行われ、幸英明騎手(36)騎乗の2番人気ホッコータルマエが好位から抜け出し重賞初制覇。ハイレベルの3歳世代から新たなスターが誕生した。

 幸の気持ちがスタートに込められていた。ゲートが開いた瞬間、出ムチを2、3発。ホッコータルマエを力強く促した。脳裏にあったのは前走・JDD(5着)での敗戦。内でゴチャつき、うまく誘導できなかった。今度こそスムーズに運ぶ。その一心だった。

 好位4番手の外へ。楽な手応えのまま直線を向き、逃げたダノンゴールドを残り300メートルで捉えた。ナムラビクターの強襲を首差しのぎきり、幸の逆襲が完成した。「抜け出すのが早くなったが詰め寄られたら、もう一度伸びた。手応えに余裕があったし、どれだけ迫られても大丈夫だったと思う」

 端正なマスクからは想像しにくいが、実は競馬界を代表する鉄人だ。5日終了時点で今年既に632鞍に騎乗し騎乗数1位。2位の和田を57鞍差と圧倒している。「1日に2リットルの水分を取るが、全レース後は2キロ落ちる。土曜は食事が喉を通らないよ」と苦笑するが、この土日も20鞍に騎乗。猛暑にあってもタフネスぶりは不変だ。さらに毎週月曜朝は涼しい顔でゴルフクラブを握っているというのだから恐れ入る。

 タルマエの強さにも拍手だ。4月の500万を6馬身差で圧勝して軌道に乗った。端午S(3着)、JDDはハタノヴァンクールの決め手に屈したが、自分の力はきっちり出し切ってきた。「使うたびに筋肉に張りが出てきたし精神面も強くなっている。暮れには大きいところを狙いたい」と西浦師。大目標のジャパンCダート(12月2日、阪神)に向け、まずは2カ月ほど北海道のファンタストCで放牧、英気を養う。

 幸は「前走は僕のミスで負けたからね。ハタノヴァンクールにまた挑戦して勝てるよう頑張りたい」。高いレベルで競い合う、3歳ダート戦線の若武者たち。いずれは最強世代として、日本ダート界を引っ張っていくのだろう。

 ≪新潟大好き幸≫レパードSを制した幸は新潟で重賞4勝目。02年新潟大賞典(キングフィデリア)、03、10年の新潟記念(ダービーレグノ、ナリタクリスタル)を制している。お立ち台では「いい思いをさせてもらっているし好きな競馬場。最終レースも勝てるように頑張りたい」と話したが、その12Rはトップモデル(4番人気)で宣言通りのV。新潟とは、どこまでも相性がいいようだ。

 ◆ホッコータルマエ 父キングカメハメハ 母マダムチェロキー(母の父チェロキーラン)牡3歳 栗東・西浦厩舎所属 馬主・矢部幸一氏 生産者・北海道浦河町市川ファーム 戦績9戦4勝(うち地方1戦0勝) 総獲得賞金7484万円。

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