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尚弥お先に!矢吹正道 日本人初の同時2階級制覇へ「フライ級は面白いことになる」

[ 2025年2月4日 04:30 ]

IBF世界フライ級タイトルマッチ   王者アンヘル・アヤラ 《12回戦》ライトフライ級王者・矢吹正道 ( 2025年3月29日    愛知県国際展示場 )

モニターのアヤラとフォトセッションを行う矢吹 (撮影・村上 大輔)
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 ボクシングイベント「3150×LUSHBOMU」の会見が3日、都内で行われ、3月29、30日の2日間でダブル世界戦を行うと発表した。興行初日はIBF世界ライトフライ級王者の矢吹がIBF世界フライ級タイトルマッチで同級王者アヤラに挑む。ライトフライ級王座を保持したままの挑戦となり、日本人初の同時世界2階級制覇を狙う。2日目は、前WBC世界ミニマム級王者の重岡優が、昨年3月に判定負けを喫した現王者ジェルサエムと約1年ぶりの再戦に臨む。

 偉大な挑戦にも矢吹は冷静だった。ライトフライ級王座を保持したまま、現王者への挑戦が決まり「王者同士で戦えることはモチベーションになる。それにふさわしい試合をして、フライ級の世界王者になる」と力強かった。井上尚弥よりも先に同時世界2階級制覇へ、日本人初の快挙を見据えた。

 昨年10月、前王者ノンシンガ(南アフリカ)を9回TKOで破り約2年7カ月ぶりに世界王座に返り咲いた。その後はライトフライ級で他団体王者との統一戦も視野に入れていたが交渉は不調。減量苦も付きまとうため、陣営は1階級上げての世界挑戦を選択した。プロモーターの元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏は「万が一があっても(ライトフライ級の)タイトルは保持される」としたが、矢吹は「負けて保持しようとは思っていない。全てを懸けたい」と不退転の覚悟を見せた。

 フライ級戦線も見据える。3月13日にはWBC王者の寺地拳四朗(BMB)とWBA王者ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が王座統一戦を行う。WBO王者オラスクアガ(米国、帝拳)も防衛戦を控え、「自分が王者になったらフライ級は面白いことになる。今、熱い階級なのでそこに食い込んでいけたら」と気合十分だった。

 今後は所属ジムを拠点にスパーリングを重ねて対策を練っていく。この日、王者アヤラともリモートで初対面した。「アグレッシブな選手。KO決着になる」と無敗の強敵へ、早くも宣戦布告した。

 ▽同時複数階級制覇 過去にも限られた名王者しか成し得ていない偉業。主な達成者では元4階級制覇王者ロイ・ジョーンズ(米国)がライトヘビー級王座を保持したまま、03年3月にWBA世界ヘビー級タイトルマッチに勝って達成。世界スーパーミドル級3団体統一王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)は19年11月にミドル級、スーパーミドル級の王座を保持したままWBO世界ライトヘビー級タイトルマッチに勝利し、同時3階級制覇を成し遂げた。

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