“悪童”ネリが尚弥のスパー相手に11回TKO勝ち　WBCスーパーバンタム級指名挑戦者に

プロボクシングWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦12回戦 （ 2023年2月18日    米カリフォルニア州ポモナ ）

ルイス・ネリ
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　WBC世界スーパーバンタム級2位の元2階級制覇王者ルイス・ネリ（28＝メキシコ）が同級3位アザト・ホバニシアン（34＝アルメニア）に11回1分51秒TKO勝ちし、次期指名挑戦者の権利を獲得した。WBC同級王者はWBO王座も保持するスティーブン・フルトン（28＝米国）で、今春のフルトンへの挑戦が決定的な井上尚弥（29＝大橋）が戴冠すれば、井上への指名挑戦者となる。戦績はネリが35戦34勝（26KO）1敗、キャリア初のKO負けを喫したホバニシアンは25戦21勝（17KO）4敗。

　1回、ネリは右フックを振った際にバランスを崩しキャンバスに手を突いたが、スリップの判定。その後は左ストレート、右フックで積極的に攻め、ホバニシアンもガードで受けると、ワンツーでプレッシャーをかけた。スピードで勝るネリをホバニシアンが追う展開となり、ネリは2回終盤、5回後半に猛攻を仕掛けて見せ場をつくったものの、ホバニシアンも右ストレートや左フック一発で後退させるなど対抗。ネリはガードを固めてカウンターを狙うなど巧みな試合運びを見せ、10回には左フックでぐらつかせてからのワンツーでダウンを奪取。11回、左フック2発でホバニシアンがのけぞるとレフェリーが試合をストップした。

　元WBCバンタム、スーパーバンタム級王者のネリは18年3月の山中慎介（帝拳）戦、19年11月のエマヌエル・ロドリゲス（プエルトリコ）戦で体重超過するなど日本では“悪童”として知られる。21年5月にブランドン・フィゲロア（米国）に7回KO負けしてプロ初黒星を喫したが、再起後は2連勝していた。井上を挑発し続けており、スーパーバンタム級での対戦を希望している。米ロサンゼルスに拠点を置くホバニシアンは昨年9月、井上が同地で合宿を実施した際にスパーリングで対戦していた。

　ネリは試合後のインタビューで「厳しい戦いになるのは分かっていた。KO決着を予想していたし、ファンにKOを見せたかった」とコメント。フルトン―井上の勝者への挑戦を問われると「簡単だ。井上とやりたいし、フルトンとやりたい。フルトンだろうと井上だろうと世界挑戦する準備はできている」とほえた。