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武尊“世紀の一戦”に敗れる…この試合に全て懸けるも天心に0-5判定負け ファンの声援に涙止まらず

[ 2022年6月19日 21:24 ]

THE MATCH 2022   ●武尊-那須川天心○ ( 2022年6月19日    東京ドーム )

<THE MATCH2022>武尊(左)に判定勝ちした那須川(撮影・島崎忠彦)
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 “世紀の一戦”に決着がついた。格闘技イベント「THE MATCH 2022」が19日、東京ドームで開催された。メインイベントはK―1史上初の3階級王者で現スーパー・フェザー級王者・武尊(SAGAMI―ONO KREST)がRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)に0-5判定負けを喫した。

 ゴンドラに乗って入場した武尊は自身の足元を見つめながらリングへと近づき、リングイン前に会場を見渡した。そして両手を広げて天を仰ぎ、気合いを入れるように吠えた。リング上では表情を変えず、那須川から視線を離さずゴングを心待ちにした。

 “世紀の一戦”のゴングが鳴ると、武尊はローキックを中心に攻め、那須川の左ハイキックをガードするなど冷静な立ち上がりを見せた。だが、第1R終了間際に右ストレートに左カウンターを合わせられ、まさかのダウンを奪われた。

 第2Rは残り2分2秒のところで、武尊がクリンチをした際に頭が那須川の右頬に直撃してドクターチェックで試合が中断するアクシデント。再開前に頭を深々と下げた武尊。再開後は果敢に前に出て打ち合った。ジャブをもらっても、お構いなしでパンチを繰り出して応戦した。このラウンドで武尊が那須川を投げ飛ばして口頭注意を受ける場面もあった。

 第3Rは、開始直後に左フックをもらうも、さらに前に出た。残り1分弱となったところで、パンチをもらうと笑みを浮かべた。最後まで本来のスタイルを崩さず戦い抜いた武尊。試合終了のゴングが鳴ると、那須川と笑顔で抱き合った。

 0-5で判定負けとなった武尊。判定後、両者は涙を流して抱擁し、武尊は那須川の耳元で「頑張ろうな、お互い」と伝えた。その後、リングを後にする武尊は観客から拍手とともに労いの言葉がかけられると、涙が止まらなくなった。観客へ何度も頭を下げ、最後はリングに向かって深々とお辞儀して会場を後にした。

 7年前、那須川が武尊の名前を出したのが始まりだった。15年8月の「BLADE FC JAPAN CUP 2015 ―55kgトーナメント」を全試合KO勝利で優勝した那須川は試合後のリング上で「55kgでやりたい選手が1人います。K―1の武尊選手ですが、かかってこいやって感じです。全試合KOなので僕の方が上だと思っています」と対戦をアピールをした。さらに同年11月のK―1 WORLD GP ―55kg王座初防衛に成功した武尊。その試合後、花道を引き上げる際に観客席にいた那須川が「大みそかやりましょう!」と武尊に対戦をアピールした。しかし両者が交わることがなかった。

 格闘技ファンはドリームカードである2人の対戦を熱望し、期待が高まるもなかなか両者の対戦は実現せず武尊の元には誹謗中傷のコメントも多く集まった。21年4月に那須川がボクシング転向を発表。両者に残された時間は残りわずかとなった。その中で12月24日に両者の対戦が電撃発表された。

 対戦発表記者会見で武尊は「最初は存在を恨んだ時期もあった。でも今回実現してやってそう思えるのですが、天心選手がいたからここまでできたのだなと思います」と話していた。前日会見でも「今まで培ってきたものを全部出して全て報われる試合にしたい」とこの試合のために全てを懸けていたが那須川に勝つことは出来なかった。

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