村田、進退は本人次第 王座陥落から一夜「周りと話して決める」

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ボクシングのWBA世界ミドル級王座から陥落した前王者・村田諒太(32=帝拳)が一夜明けた21日、米ラスベガス市内で会見し、進退について周囲と相談して決めると明かした。帝拳ジムの本田明彦会長(71)は新王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦する可能性を認めながらも、引退か現役続行かの結論は本人に一任する方針を示した。
前夜は30分しか眠れなかったという村田はサングラスで両目の腫れを隠し、痛む背中を気にするしぐさを見せた。「正直、パンチのダメージはある。これだけのダメージはボクシング人生で初めて。こういう試合を続けていたら壊れる」。ブラントの猛攻に右の強打が空転し、大差の0―3判定負け。「自分のボクシングは、足を使って動かれると非常に弱い。攻略法みたいに相手が僕を研究していた。自分の実力不足」と改めて振り返った。
完敗により元統一ミドル級王者ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチ構想は消滅。再起するなら来春にブラントとの再戦が有力だが「(進退は)まだ答えられない。今後は周りの方々と話して決めたい」と結論には時間をかける見通しを示した。「練習は100%してきたので後悔はない」とし、一般論として「あの経験があったから今がある、と思えるように人生を歩んでいかないといけない」とも話した。
本田会長はブラント側との契約に再戦条項があると明かしたが、「本人がやらないと言ったらやらない」と結論は村田に一任。調子が悪いまま臨んだ陣営全体に油断があったとし、「日本で再戦すれば商売になるが、今回の敗因をどう考えるかが一番重要。今のままではダメだ」と強調した。ボクサーとしての素質は平凡な村田は努力で世界王者になったとし、「他の人生でも生きる凄いものを持っている。第2の人生に期待しちゃう」と称える一方、「村田は背負うものが大きすぎる。ただ(現役を)やればいいという選手じゃない」と思いやった。