初取材で感じたメジャーリーガーの“緻密さ”昨季ワールドシリーズMVPの大スターも基本に忠実

[ 2025年3月23日 08:00 ]

<カブス・ドジャース>練習に向かうフリーマン(撮影・光山 貴大)
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 列島がお祭り騒ぎとなった3月18、19日のドジャース―カブスの開幕シリーズ。ドジャース・大谷の「凱旋弾」、史上初の日本投手の開幕戦での投げ合い、ド軍・佐々木のメジャー初登板など、話題満載の2日間に、野球ファンは歓喜した。

 そんな国民的行事となったMLB東京シリーズが、記者のプロの公式戦の初取材だった。取材エリアにはMLBのレジェンドから俳優、歌手といった著名人も集結。異様な雰囲気に圧倒された。

 投手はいかに速い球を投げられるか、打者はいかにボールを遠くに飛ばせるか。そんな力勝負のイメージをメジャーリーガーたちに抱いていた。しかし、現地で練習をみて感じたのは「緻密さ」だ。

 昨季ワールドシリーズMVPに輝いたド軍のフリーマンは試合開始の4時間も前にグラウンド入り。両膝をつき、前方からトスされたボールを小型のグラブでキャッチするハンドリングの基礎練習を丁寧にこなし、ノックでは野手からの悪送球を後方にそらすことなく、簡単に捕球してみせた。直後のフリー打撃では無理に引っ張らず、逆方向へ低く強い打球を連発。試合でファンを熱狂させる豪快な一発や華麗な守備を披露するため、準備を怠ることはなかった。

 フリーマンはスプリングトレーニングで秘話を明かしていた。プロ野球選手になってから毎晩、枕に頭を乗せる時に自らに「今日、自分は成長するために全力を尽くしたか?」と問いかけるという。「ずっとそうやってきた。多くの選手が体をつくり上げている。そして最後に全て勝ち取った時、その努力は報われる」と力を込める。

 派手さだけでなく、緻密さも持ち合わせているからこそ世界のトップ選手でいられる。いきなり世界最高峰の試合という恵まれた初取材で、そう気づかされた。
(記者コラム・小林 伊織)

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