楽天・辰己 同点3ラン!4時間50分死闘で延長12回ドロー CSラスト1枠へ10.9最終戦必勝!

[ 2023年10月8日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5―5ソフトバンク ( 2023年10月7日    楽天モバイル )

<楽・ソ>6回、同点3ランを放つ辰己(撮影・久冨木 修)
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 4位の楽天は7日、2位のソフトバンクと延長12回の末に5―5で引き分けた。3点を追う6回に辰己涼介外野手(26)が起死回生の同点9号3ランを放った。大混戦となったパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)争いは、ソフトバンクが3位以上確定で突破。楽天は0・5ゲーム差の3位・ロッテと9日にレギュラーシーズン最終戦を戦い、勝てば3位でのCS進出が決まる。

 負けなかった。4時間50分に及ぶ文字通りの死闘だった。3点のビハインドを追いついて、延長12回引き分け。本拠地に詰めかけた2万5841人の大観衆に、逆転CSに懸ける執念を体現した。

 重苦しい空気を一変させたのは辰己だった。2―5の6回2死一、二塁で初球の内角直球を完璧に捉えた。「変化球を狙っていたけど、うまく反応して打てた」。右翼席最前列へ飛び込む起死回生の同点9号3ランで、チームは息を吹き返した。野手18人、投手8人をつぎ込んだ総力戦。石井監督は「選手は勝つための努力をしてくれた」とねぎらった。

 試合前から、球場は異様な雰囲気に包まれていた。チケットは完売。ナインは超満員の中でプレーできる喜びを感じていたからこそ、劣勢でも下を向かなかった。鳴り物応援が禁止となる午後10時以降も、声援のボリュームは大きくなる一方。11回2死一、三塁で代打の代打で銀次が登場すると、盛り上がりは最高潮に。左邪飛に打ち取られたが、球場が一つになった瞬間だった。銀次は「打てていれば勝てた」と悔やみつつ、「(最終戦は)どんな形でも勝つだけ」と言い切った。

 引き分けで2位は逃したが、9日の3位ロッテとの本拠地での直接対決に勝てば、2年ぶりのCS進出が決まる。指揮官は「大一番になる。チーム一丸となってファンの皆さんに背中を押してもらって勝ちきりたい」と力を込めた。チケットは完売。運命の「10・9決戦」を制し、東北のファンとともに次のステージに歩を進める。(重光 晋太郎)

 ≪出場権を懸け3、4位が最終戦で直接対決するのは初≫ラスト1枚のCS出場権は9日の楽天―ロッテ戦の結果で決まることになった。ロッテは勝つか引き分けで3位以内、楽天は勝てば3位となる。シーズン最終戦でCS進出を決めたのは08年日本ハム、10年ロッテ、11年西武、18年巨人、19年阪神と過去5チームあるが、出場権を懸け3、4位が最終戦で直接対決するのは初めてだ。

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2023年10月8日のニュース