中畑清氏、巨人・岸田の劇弾呼んだ「エースの自覚」戸郷の143球

[ 2023年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―1阪神 ( 2023年6月30日    東京D )

<巨・神>客席のファンにあいさつする戸郷(右はサヨナラ弾を放った岸田)=撮影・岸 良祐)
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 【中畑清・視点】巨人にとっては単なる1勝じゃない。ペナントレースの折り返し地点で迎えた伝統の一戦。その3連戦初戦を苦しみながらものにしたんだからね。

 いい緊張感が続いたナイスゲーム。一番しびれたのは9回裏の岡田采配だ。巨人先頭のブリンソンに二塁打を許すと、すぐベンチを出て秋広の申告敬遠を告げた。無死一、二塁にして、マウンドの石井が前の対戦で本塁打を打たれている4番の岡本和と勝負。迷いのない大胆な決断に舌を巻いた。石井はこれに応えて岡本和を三振、大城卓を二ゴロ併殺打。流れは阪神にあったのよ。

 その試合を延長10回2死、岸田というヒーロー出現でサヨナラ勝ち。戸郷の力投も生きたな。中15日の影響か立ち上がりはボールが上ずって球数が多くなったけど、143球を投げて8回を初回の1失点でしのいだ。大勢不在の中で見せたエースの自覚。1日に先発する菅野にも伝わったと思う。意地を見せてほしいな。(スポニチ本紙評論家)

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2023年7月1日のニュース