“夜王”近藤龍徳が引退発表 「覚悟が吹っ飛んでしまった」

[ 2025年5月4日 11:26 ]

<名古屋競輪場>現役引退を発表した近藤龍徳(右)
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 15年にG2サマーナイトフェスティバルを制し、22年11月から欠場が続いていた近藤龍徳(34=愛知・101期)が4日、日本選手権競輪が行われている名古屋競輪場内で引退することを発表した。決断した理由については「きっかけになったのは2年半前の落車で。僕、絶対に誰にも負けない武器があった。それは“覚悟”だった。あの落車の時にその覚悟が吹っ飛んでしまった。(復帰は)もちろん目指したけど、競輪を楽しんでくださっているみなさまの前で走るレベルにはならなかった」と言葉に詰まりながら明かした。

 12年にデビュー。身長167センチ、体重54キロと小柄ながら鋭い差し脚を武器にビッグレースで活躍した。14年にはヤングGP(岸和田)、15年にはサマーナイトフェスティバル(函館)を制し“夜王”の愛称で親しまれた。22年11月の防府記念で落車失格。そこから欠場が続き、今回の発表に至った。デビュー13年間について聞かれると、「夜王と呼ばれるのが夢で、運良く獲れちゃった。ベストのレースは16年の静岡ダービーの準決勝。深谷さんとワンツーを決めたのがベストレース。デビューしてすぐから“深谷さんのハコを回るのは俺だ”と言い続けていた。日本一の先行の後ろの日本一のマーク屋になると掲げて選手になった。あれが初めてのジカの連係だった。早すぎたっすね。ピークが」と笑った。

 今後については「決まっている訳ではないが、競輪がめっちゃ好き。競輪を伝えていくメディアができれば。白紙ではない」と輪界に恩返しすることを示唆。最後に集まったファンに向けて、「13年間、たくさんのファンの方にご声援をいただき走ることができた。もう1度、近藤龍徳の走りで魅了したかったが、そこに届かなかった。まだ言うのは早いかもしれないけど…。ありがとうございました」と深々と頭を下げファンとバンクに感謝と別れを告げた。

 ◇近藤 龍徳(こんどう・たつのり)1991年(平3)1月20日生まれ、愛知県名古屋市出身の34歳。12年7月プロデビュー。通算成績は902戦141勝。通算取得賞金は2億2122万円。1メートル67、54キロ。血液型B。

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