【エリザベス女王杯】鍵は4角「植木」、馬の集中力維持なるか

[ 2018年11月8日 05:30 ]

京都競馬場の4角(4コーナー)、外回り(右)と内回り(左)(撮影・中村 与志隆)
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 【こぼれ話 隠れ話】モレイラは京都芝コースを「日本で騎乗した中(他に札幌、東京、中山)で一番難しいコース」と評する。ポイントは2つ。「まずは3角手前のダウンヒル。レース全体の流れに関係なく、自然とペースが上がってしまう。そこで仕掛けるのか、待つのか。瞬時の判断が必要になる」。もう一つ挙げたのは意外にも「ツリー(木)」だった。下り坂の先に待つ京都芝の4角には内・外回りを分けるラチの間に多数の丸く整形された植木が存在する。「ラチの内側のツリーに馬が気を取られる感じがある。いかに集中力を切らさないようクリアするかが重要だね」。今年7月17日、浦和で的場文男がゴール寸前で落馬しながらも着地がゴール後と判定され、セーフとなった件も、馬がゴール地点に新たに置かれた花壇に物見してフットワークを乱した。馬は走路そばの異物に敏感なのだ。

 モレイラは10月8日に京都で初騎乗。芝コースは9戦騎乗しただけだ。わずかな経験の中でコースのポイントを把握したのは、さすが。さらにこう付け加えた。「あくまで日本の中で難しいというだけ。世界にはもっとトリッキーなコースがたくさんある。香港のハッピーバレーとかね。それに比べたら京都はフェアなコースだよ」。技術だけではない。経験に裏打ちされた洞察力も名手の名手たるゆえんだ。

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2018年11月8日のニュース