真道ゴーは「ダメだったと捉えている」 JBC理事会で男子プロテスト受検不可の決定に落胆

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プロボクシング元WBC女子世界フライ級王者で、性別適合手術と戸籍変更を経て男子選手として活動を目指す真道ゴー(36=グリーンツダ)が19日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で会見し「ダメだったと捉えている」などと語り、プロテスト受検が認められなかったことに落胆をにじませた。
「(男子の)プロボクサーになれると思いながら…。今日の結果は残念です。けど(所属ジムの本石昌也会長へ男子としてのプロ復帰を訴えてから)この2年間、会長をはじめ、いろんな方に尽力していただいた。どういう結果でも受け止める気持ちでした。スポーツのルールの中で決まったこと。JBCに対して異議申し立てをするつもりはありません」
この日、日本ボクシングコミッション(JBC)は東京都内で理事会を開き、真道の男子プロテスト受検を認めないと決めた。試合での安全管理の面で見送った。今後は男子選手と試合形式のスパーリング(準公式試合)を行った上で安全面などを精査し、データや内容によっては受検を認める可能性があるという。準公式試合はヘッドギアなし、3分×3ラウンド、レフェリーやジャッジなど試合運営にかかわるオフィシャルはプロの試合と同じ態勢で実施される。その出場選手はライセンスを交付されない17歳未満や元プロ選手という。
プロテスト受検を認められなかったものの、今後の可能性が完全に閉ざされたわけではない。前向きに受け止めるのが難しいのは年齢の問題があるからだ。18日に真道は36歳の誕生日を迎えた。
「プロテストを認められないと言われて、もうトレーニングをやめて、ボクシングをやめます、という決断には至っていない。ただ(準公式の)試合を通してプロとして認めてもらう第一歩や、いつ決まるか分からんことを2年、3年かけてプロになるまで頑張っていきますという表明も難しい。私がもうあと5年……30歳や20代後半なら、そういう言葉が出たかもしれませんが。昨日(18日に)36歳になりました。年齢のことも考えると、プロボクサーを目指しますと今は表明できない」
今後は未定。ロードワークやジムワークの練習を継続しながら、本石昌也会長やトレーナーなど周囲と話し合い、方針を決めるという。準公式試合への出場を重ねて実績を積むのか、海外で試合出場できる場があるのか模索するのか、それとも断念するのか。真道は和歌山市内で子育て支援など福祉事業を行う会社の代表取締役を務めている。パートナーと3人の子供の励ましを受け“二足のわらじ”で奮闘してきた。「奥さんからは“年齢のこともあるから、体のことは考えないとね”と言われました」。決断を下すには、もう少し時間が必要なようだ。本石昌也会長は「どういう決断をするにしても真道に寄り添いたい」と話した。